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『政策学会講演会特集』
政策学会講演会(レポート)
『トランプ関税の新展開とWTO体制の将来』
| テーマ | 『トランプ関税の新展開とWTO体制の将来』 |
|---|---|
| 講師 | 深作 喜一郎 氏 |
| 日時 | 2026年7月10日(金)9:00~10:30 |
| 会場 | Z30 |
去る7月10日、政策学会講演会に講師として元GATT・OECDエコノミストであり、現在も、フリーランスの国際経済エコノミストとしてご活躍されている、深作喜一郎氏をお迎えし、「トランプ関税の新展開とWTO体制の将来」というタイトルでお話しいただいた。深作氏は、欧州での複数にわたる国際機関でのご経歴から、現在の世界の通商政策を含め、WTO体制の現状と将来について詳細なレジュメを用意され、明快に語られた。
2025年度、第2次トランプ政権が発足し、突如発令された相互関税は、アメリカの連邦最高裁判所で違憲とされたが、アメリカの関税率は、以前のレベルに戻ったわけではない。アメリカ国内では国際貿易が国家安全保障と連動して考えられるようになり、アメリカのWTO離れは決定的となってしまった。確かに、1990年代後半から、地域貿易協定(RTA)の数が急速に増え、多角的貿易交渉は低迷したままであるが、RTAはWTO体制が根底にあってこそ存在し得るものである。今後も我々はWTO体制を無視する事はできない。
最後にWTO体制の今後の展望を述べられた。アメリカのWTO離れは決定的であるが、WTOの重要性も依然、大きいものである。「日本は、他のミドルパワーと連携し、WTO体制の改革と維持に尽力すべきである」、と熱く語られて、講演は終了した。講演の開始から終わりまで、参加者が非常に熱心に聞き入り、絶え間なくノートを取っている光景が印象的であった。
(政策学部教授 岡本 由美子)