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政策学会講演会特集

政策学会講演会(レポート)
『現代民主主義と行政学を学ぶ意味:周回遅れの学問から時代を先導する学問へ』

テーマ 『現代民主主義と行政学を学ぶ意味:周回遅れの学問から時代を先導する学問へ』
講師 北村 亘 氏
日時 2026年7月3日(金)13:10~14:40
会場 Z30

 2026年7月3日に日本行政学会理事長・大阪大学大学院法学研究科教授の北村亘氏をお招きし、「現代民主主義と行政学を学ぶ意味:周回遅れの学問から時代を先導する学問へ」という題目でご講演いただいた。ご講演では、行政学の特徴や学問的な位置づけを踏まえながら、行政学を学習する意義や行政学研究の展望について独自かつ多様な観点からの分析を交えてご説明いただいた。

 ご講演の冒頭では、近年、現実政治における政治主導の高まりや政治学研究における行政への関心の低下などから、実務的にも学術的にも行政学の地盤低下がみられることが指摘された。他方で、民主主義を機能させるためには、いかに民意を反映させるかという政治学で追究さる課題とともに、いかに民意がダイレクトに反映されない領域をつくるかが重要であるという。行政学には民意や代表制よりも専門性を重視する特徴があり、民意の「暴走」に対して、専門性や中立性といった行政学が重視する理念が民主的な政府を支える根幹になっていることを19世紀のアメリカやイギリスの事例からご説明いただいた。

 続いて、現代の民主主義の諸制度やその機能を解明する上での行政学研究の方法や展望について、実際の研究例にも言及しながらご説明いただいた。講演では、北村氏が中長期的に取り組まれている現代日本の官僚の意識や行動に関する調査をご紹介いただき、官僚がどのような行政的価値を重視し、追求するのかを実証的なデータに基づいて分析していただいた。最後に、行政学研究の様々な研究アプローチについてご紹介いただき、受講者に対してどのようなアプローチでもよいので行政学の学習、研究を進めてほしい旨を強調されて講演は締めくくられた。

 講演は、学部講義科目である「行政学入門」の授業の一環として実施されたが、「行政学入門」の履修者のみならず、講演テーマに関心のある学部生や大学院生の参加もみられた。講演終了後には、受講者から北村氏への活発な質疑応答があり、大変盛況な講演会となった。

(政策学部准教授 須川 忠輝)

20260703北村氏          (140721)