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教員紹介

2026須川先生   (110063)

すがわ ただてる

須川 忠輝 准教授

研究分野(学部) 地方自治の制度や政策のデザイン
研究室 渓水館210号室

研究の関心(研究内容を含む)

【学部生向け】

 主な研究分野は行政学です。行政学はその名の通り、行政を直接的に扱う学問分野ですが、その研究対象は国家公務員や中央省庁といった国レヴェルの行政だけではありません。都道府県や市町村レヴェルの地方自治、国と地方、あるいは都道府県と市町村間の相互関係 (政府間関係)も重要な研究テーマですし、国連やEUに代表される国際行政も守備範囲です。さらには、行政と民間部門(市場)の関係(官民関係)や政治(政治家、政党など)との関係(政官関係)も行政学の関心です。
  研究対象の幅広さに加えて、社会的な重要度の高さも行政学の特徴です。というのも、実感が伴うかは別として、私たちは日常生活のあらゆる場面で、様々なレヴェルの行政活動の影響を受けているからです。いわば、行政にかかわることなしに生活することは不可能であるといっても過言ではありません。また、行政学は、公共政策の立案から実施、評価に至るまでの政策過程全般を扱うほか、行政組織や公務員のマネジメント、官民連携の仕組みなど、現実の行政の動向や課題の発見、解決と密接に関係している点から、実務的な学問でもあります。
 私自身の研究関心は、行政学の対象の中でも、特に地方自治や中央地方関係(国と地方自治体の関係)にあります。これまで一貫して関心を有してきたのは、どのように地方分権が 行われるのかという問題です。近年では、国が持っている権限や財源を地方に移していくと いう地方分権が世界的なトレンドになっています。しかし、分権改革の中身は多様であり、 地方分権がそのまま地方自治体の決定権の拡大につながるとは一概にはいえません。研究では、主に政治的要因に着目しながら、分権改革に携わる多様なアクター(主体)の動きや選好を分析することで、どのように地方分権が制度設計され、いかなる制度や政策が導入されるのかを明らかにしています。研究対象は、日本やヨーロッパです。また、直近では共同研究にて地方自治体の組織内部の改革や行政へのAI導入に関する国際比較に取り組むほか、市町村合併後の都市計画や自治体間連携の政策比較などの研究にも着手しています。

プロフィール

生まれも育ちも関西です。学部、大学院の約10年間を大阪大学で過ごし、その後大学教員としてのキャリアがスタートしました。初任地は三重大学人文学部法律経済学科で、2025年度まで専任教員として行政学や政治学原論を担当していました。2026年度より同志社大学に着任しますので、今年は「1年生」です。就職前は、ぼんやりと関西から離れることになるだろうと思っていたのですが、ご縁があって三重、京都と比較的近いところを移動しています。
学部では、現在の研究分野とは全く異なり、ハンガリー中世史を専門とする先生のゼミに所属していました。ただ、元々ヨーロッパ(特にバルカン諸国)の政治に関心があり、当時他学部で非常勤をされていた月村先生の授業を聴講した経験もあります。その後、大学院では行政学を専攻することになるのですが、きっかけは学部時代にバイタリティあふれるサークルの先輩に誘われて島根県の隠岐地方を周遊し、過疎対策や地域づくりの現場を見たことでした。以後、西日本各地の離島や中山間地域にて、フィールドワークを実施してきました。ヨーロッパにも関心があるけれども、将来的に日本の地方自治が抱える課題にも取り組みたいと考えた際に、実務とのかかわりや学際性の強い行政学には、国内と海外の両方を分析対象とする研究者の先生が複数いらっしゃることを知り、研究分野を決めたという流れになります。

講義・演習・少人数クラスについて

【学部科目】

 講義科目としては、学部1年生向けの基礎科目である「行政学入門」を担当しています。 本科目は、政策学部の学びにおける4つの柱のうちの一つである「行政・政治学」の入り口となる科目です。時折、名前が似ているため行政法(学)と間違われることがあるのですが、行政学は法学ではなく、政治学の観点から行政を分析する学問です。ただし、行政学は学際的な分野ですので、経済学や組織論などと密接にかかわるテーマも扱います。行政学の魅力は何といってもその対象の幅広さにあります。学問としての学際的な性格に加えて、行政学の主たる対象である行政には様々な姿があり、多岐にわたるアクターや制度、アイディアなどが関係しています。演習では、こうした行政学の魅力や面白さを実感してもらうべく、国の行政から地方自治、国際行政、公共政策に至るまで広範なテーマを相互の連関を踏まえながら探究していきます。また、他大学との合同ゼミのほか、継続的な地方自治体へのフィールドワーク、政策コンテストへの出場などを予定しています。

受験生へのメッセージ(学部・大学院)

【学部生向け】

 今日では、全国各地に政策系の学部や学科が設置されており、分野横断的な学びの重要性が広く社会で認識されています。他方で、物事を学際的に、分野横断的に見るためには、ある分野や立場の視角を深く理解することが不可欠です。専門的な知識や見方を身につけることなしに、ほかの立場の視角を活用したり、新しい枠組みを構築したりすることは困難です。学際性と専門性は対立するものではなく、どちらも大事な両輪であると言えるでしょう。
 本学部の特徴は、「浅く広く」ではなく「深く広く」学ぶ環境を提供している点です。政策学部では、「行政・政治学」「法律学」「経済学」「組織・経営」の4分野を横断的に学びますが、それぞれの分野には、私のように大学卒業後にそのまま大学院に進学し、研究者となった教員だけでなく、公務員や民間企業、シンクタンクでの実務経験や海外在住経験など多様なバックグラウンドを持つ複数の教員が在籍しています。また、各教員はそれぞれの専門分野に加えて、学際的な「政策学」に基づく教育研究に従事しています。