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政策学会講演会特集

政策学会講演会(レポート)
『日本における防衛産業』

テーマ 『日本における防衛産業』
講師 池山 正隆 氏
日時 2026年5月21日(木)10:45~12:15
会場 Z30

 株式会社IHI顧問である池山正隆氏をお招きし、「日本における防衛産業」というテーマで政策学会講演会を開催した。

 池山氏は約40年にわたり自衛隊の航空機用ジェット・エンジンの開発などに従事され、顧問就任の前は副社長を務められていた。今回の講演では、日本の安全保障の一翼を担う防衛産業の課題と展望について、豊富な実例を交えて解説して頂いた。

 防衛装備品を供給する場合、顧客は基本的には自衛隊のみである。その取引は国家予算の枠内で実施されるため、様々な制度的制約が存在する。例えば、自衛隊の装備品調達は入札を経て決定する事となっているために、特定の一社からしか応札があり得ない場合でも、自衛隊・企業双方で膨大な書類の準備が必要となる。また、予算は単年度で運営されるため、装備品の契約も単年度ごととなり、後年度の受注は保証されない。したがって、年度をまたいだ供給計画を策定することにはリスクが伴うことになるため、装備品の供給能力増強のための生産設備への投資は躊躇される。さらに、製造原価利益率に上限が設けられているために利益率は低い。IHIを始め日本の防衛装備品供給を担っている企業にとっては自衛隊との取引は数多くある事業のひとつでしか無いことが多く、それが低収益であることはその部門の全社的な発言力の低下にも繋がってしまう。装備品の生産から撤退する日本企業が近年見られる背景にはこうした事情が存在する。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増し、国の政策・制度も大きく変化しつつある中で、防衛産業の事業継続を促す経営環境を整備することは急務である。

 池山氏には講演の中で、イギリス・イタリアとの次期戦闘機共同開発プロジェクトや、装備品輸出を制限して来た所謂「5類型」の撤廃などの直近の話題にも触れて頂き、講演参加者にとっては大変有意義な内容であった。

(政策学部教授 川浦 昭彦)

20260521池山氏 ②        (139208)