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政策学会講演会特集

政策学会講演会(レポート)
『最高の教育を世界の果てまで~僕が途上国の教育に関わり続けるわけ~』

テーマ 『最高の教育を世界の果てまで~僕が途上国の教育に関わり続けるわけ~』
講師 坂井 健 氏
日時 2025年11月25日(火)16:40~18:10
会場 Z30

 去る11月25日,政策学会講演会に認定NPO法人e-Educationの坂井健氏をお迎えし,「最高の教育を世界の果てまで~僕が途上国の教育に関わり続けるわけ~」という演題の下でご講演いただいた。坂井氏は,途上国における子どもの教育機会の格差をなくすべく,ICTの力を駆使した教育支援に取り組んでいる認定NPO法人e-Educationの副代表のほか,フィリピンのカミギン州立大学にて講師を務めておられる。今回は,長年の教育分野における支援活動のご経験を踏まえ,多くの途上国でみられる教育格差の現状や格差是正に向けた取り組みなどについて,現地でのエピソードや活動の成果などを織り交ぜながらお話しいただいた。
 ご講演では,まず途上国における都市部と農村部との間にみられる教育格差の現状についてご説明された後,教員の不足をこの「課題の重心」として捉え,e-Educationが行っている教員を基点とした支援活動をいくつかご紹介された。例えば,e-Educationは,農村部での教員不足に対応するため,都市部に在住する教員の授業を農村部で暮らす子どもたちに映像で提供する取り組みを行っている。2010年にバングラデシュで同取り組みを開始した当初は,農村部の高校生を対象とした映像教育予備校としてDVDで授業を提供するものであったが,デバイスの進化と共に変遷を遂げ,現在では,バングラデシュ全土でオンライン家庭教師プログラムを展開しているとご説明された。
 ご講演の後半では,行政・企業を巻き込みながら「共感・共創」で未来をつくるという,課題解決におけるパートナーシップの重要性を強調されたほか,途上国の力を借りて日本の課題を解決する「国際協力の逆転」の事例をご紹介された。これは,e-Educationが活動しているフィリピンの英語力を生かし,日本の若者に向けて英語教育を提供することで日本の英語力向上に貢献するというものである。また,このような取り組みは,フィリピンが直面している就労機会の不足という問題の解決にも貢献していることをご指摘された。
 最後に,これから社会に出ていく学生に対して「『まだ早い』が『もう遅い』」となる前に挑戦してみることの大切さなどを強調され,ご講演を締めくくられた。ご講演後には参加者から質問などが出され,大変有意義な講演会となった。

(政策学部教授 新見 陽子)

20251125坂井氏    (121209)