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政策学会講演会特集

政策学会講演会(レポート)
『集団内・外に関する態度と行動:差別、偏見、ステレオタイプ』

テーマ 『集団内・外に関する態度と行動:差別、偏見、ステレオタイプ』
講師 杉森 伸吉氏
日時 2021年5月28日(金)16:40~18:10
会場 Zoomにて開催

 2021年5月28日、東京学芸大学教授・東京学芸大学附属大泉小学校校長である杉森伸吉氏をゲストスピーカーとしてお迎えし、「内集団バイアス、偏見、ステレオタイプ:日本の事例について」というテーマで講義をしていただいた。講義の前半では内集団に対するひいきの心理や多様性について語られた。文化とは意味づけの体系であり、意味づけの異なる人々は異質な人々で、多様性の社会を生きるということは異質な人々との共生が必ず生まれるという。また、講義後半ではステレオタイプや偏見・差別と記憶の関係について語られた。ステレオタイプや偏見・差別は集団内に共有された記憶に基づいており、リスクを認知される人や集団ほど、偏見を持たれやすく、ベネフィットを認知されるほど好意的記憶が共有されるという。講義では実際に記憶に関する実験を行い、受講生自身が記憶の変容を体験することができた。講義後も質問が続き、白熱した意見交換がなされていた。多様性とは異なる集団、人々が共存するということであり、そこにはステレオタイプや偏見が混在している。本講義は多様性が重視される現代において、多様性を生きるとはどういうことなのかを考えさせられた受講者にとって有意義な講義であった。

(政策学部教授 オフェル・フェルドマン)

杉森 伸吉氏