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『政策学会講演会特集』
政策学会講演会(レポート)
『特才児童教育-国際的潮流と日本への適用の方向性-』
| テーマ | 『特才児童教育-国際的潮流と日本への適用の方向性-』 |
|---|---|
| 講師 | 隅田 学 氏 |
| 日時 | 2026年10月26日(月)13:10~14:40 |
| 会場 | Z6 |
去る10月26日、政策学会講演会に講師として愛媛大学学長特別補佐・同大学大学院教育学研究科教授であり、教育学部付属才能研究センター長を務められる、隅田学氏をお迎えし、「特才児童教育-国際的潮流と日本への適用の方向性-」というタイトルでお話しいただいた。隅田氏は、現在、文部科学省中央教育審議会特別の教育課程ワーキンググループ主査の任にあるお立場から、次期学習指導要領に盛り込まれる予定の特才児童生徒の学びのあり方をめぐって、詳細かつ丁寧なレジュメをもとに、持論を展開された。
特才児童教育をめぐっては、海外において旺盛かつ豊富な研究および教育実践が行われてきたが、日本においても、学校教育への適用に困難を抱える児童生徒の(いわゆる「吹きこぼれ」)問題として、社会的関心の高まりにけん引される形で、研究の蓄積が進んできた。国内外ともに、従来、特才児童生徒を「ギフテッド」と称して通常の教育課程から切り離し、「飛び級」や「完全早修」などを柱に、独自の教育を施す考え方が支配的であったが、近年、「モアエイブル」「ハイポテンシャル」「アドバンスドラーナー」という文言への置き換わりが進み、学校・学校外を含めた教育現場において、特才児童生徒を「包摂」する、柔軟な教育課程を構想する方向に変わりつつある。
隅田氏も、特才児童生徒をラベリングせず、他の児童生徒から必要以上に遠ざけない柔軟で多様な教育課程を模索する必要性を強調され、通常の教育課程と特別の教育課程との接続に配慮した「対象活動(仮称)」と称せられる自己探究や在籍校以外の外部教育資源へのアクセスを確保する柔軟な教育課程を認める方向での検討が、中教審において進みつつある現状について解説された。最後に、特才児童生徒の「強み」を見出すために、多様な挑戦の機会を確保すること、継続的な支援とネットワークを構築することの重要性を指摘され、そのためには、学校内外において、質の⾼いメンターの確保が課題であると力説され、講演を終えられた。講演の開始から終わりまで、参加者が非常に熱心に聞き入り、絶え間なくノートを取っている光景が印象的であった。
(政策学部教授 田中 宏樹)
