政策学会講演会特集

　2024年11月19日，政策学会講演会（「現代社会と組織」）に講師として，みんなの銀行・取締役頭取である永吉健一氏をお迎えして，「銀行員DX物語　イントレプレナーとしての挑戦　『できない』ではなく，どうしたら『できるか』を考える」と題して，みんなの銀行創業から拡大までの過程をイノベーション論に交えて講演いただいた。まず，ビジネス構造の変化が起こる社会において，テクノロジーが果たす役割の大きさについて説明いただいた。特に，銀行業において求められるイノベーションの在り方，その中でふくおかフィナンシャルグループでの出島カンパニーとして全く新しい金融サービス企業の創業に至るまでの永吉氏の思考（志向）・行動について詳細に説明いただいた。続いて，イントレプレナーとしての葛藤・飛躍に関する体験を詳細にお話しいただいた。また，新しい銀行・プロダクトを創り上げる中での，銀行員とデザイナーの考え方の相違，金融を通じたコミュニティ応援の取り組みなど，様々な課題解決・アイデアの具現化を繰り広げてきたことについてもお話しいただいた。講演の中でも，組織のカルチャー変革によるインパクト（DX化の進展など），多様性と専門性の掛け算として起こるイノベーションの実相に関する説明は，受講生が特に興味を持って耳を傾けていた。講演後，イントレプレナーとしての経験についての質問などもあり，充実した講演会であった。