教員紹介
たなか ひでき
田中 秀樹 教授
研究分野(学部) | 現代社会における人材・組織マネジメント |
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研究テーマ(大学院) | 人材・組織マネジメント |
研究室 | 渓水館221号室 |
研究の関心(研究内容を含む)
私の研究の対象はヒト・組織です。経営や管理を意味するManagement(マネジメント)はManageから派生した言葉です。Manageとは「(なんとか)~をやりくりする」という意味を持つ言葉です。“Manageされる組織”の中には多くのヒトがいます。「組織はヒトなり」と言われるように、ヒトが集まってこそ組織が構成されて、ヒトが動いてくれることで組織は目標を達成できます。私は、特に、組織の中でヒトは何を考えて・感じて働いているのか、組織側は何を意図して様々な形で働くことをサポートする制度を導入しているのか、について関心を持っています。最近では、働きがいを感じながらヒトが働くことができる組織・職場とはどういった環境なのか、どのような制度を整えればヒトは活き活きと働くことができるのか、働くヒトがハッピーになれる職場とはどのような職場なのか、といったことを学術的に検証しようと試みています。また、働き方改革が働くヒトに対してどのような影響をもたらすのかについても関心を持っています(働き方改革のすべてが必ずしも労働者にとってハッピーにつながるとは限らないのではないか、とも考えています)。
技術やデータ整備の進展によって、組織・人材のマネジメントにおいて最新テクノロジー(HRテック(human resource technology))を利用した人材管理を実施する人事部・人事担当者も増えてきています。その背景を踏まえて、人事の世界におけるHRテックの受容度・活用度や課題などについても調査研究を進めています。また、京都府の雇用政策策定や社会人向けのリカレント研修講師なども務めていることから、現実社会と経営学(の知見)の相互依存性についても関心を持っています。
プロフィール
1981年大阪府豊中市生まれ。育ちは三重県松阪市。中学・高校と三重県で過ごし、その後同志社大学文学部教育学専攻(現・社会学部教育文化学科)に入学しました。2004年に同志社大学文学部卒業後、総合政策科学研究科企業政策コース博士前期課程を経て、2006年に同研究科博士後期課程に進学しました。その後、京都市内の大学で助手などを務めながら博士論文をまとめ、2011年に博士号(政策科学)を取得しました。
2011年からは同志社大学技術・企業・国際競争力研究センターで研究員を務め、英国(ケンブリッジ)・米国(ミシガン)・ニュージーランド(オークランド)などに滞在して研究活動を行いました。2014年より東北地方の公立大学の経営経済学部経営学科において専任講師として勤め、人材マネジメントや組織マネジメントの他に、社会調査法などの科目も担当しました。2017年に京都市内の別の大学に准教授として着任して京都の地に戻ってきました。そして、2020年より母校である同志社大学に戻ってきました。
同志社出身者として、後輩でもある皆さんへの教育に邁進しつつ、校祖・新島先生が唱えられた「良心」を皆さんと共に探求できればと思っています。
プライベートでは、息子(小学生)・娘(保育園児)の子育てを楽しんでいます。毎日のように彼・彼女の成長があり、新たな気づきがある日々を過ごしています。
講義・演習・少人数クラスについて
【学部科目】
人材マネジメントと雇用政策を考える
社会における組織、組織の中のヒトやそれらの関係性に焦点を当てて、企業における雇用の理論と実態、雇用政策などを中心として学んでいただきます。
演習科目では、専門書・調査報告書・政府統計などを読解していきます。また、雇用政策や企業人事に関わる外部講師の講義やフィールドワークなどによって現場で起こっている問題を知り、問題意識を養いながら学びを進めていきます。
【大学院科目】
経営学の観点から人材・組織を考える
経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)において、ヒトは最たる要諦です。ヒトと組織、ヒトとヒト、ヒトと職場の関係についての研究蓄積は莫大な量です。それらの蓄積の中から自身のテーマに適した理論・方法論を見つけ出して、自身の研究課題を解明するためにコーチングをしていきたいと思います。
受験生へのメッセージ(学部・大学院)
【学部生向け】
政策学部と聞いてピンとこない方もいらっしゃるかと思います。政策学部では分野を超えた多様な専門科目が用意されています。政策学部で学び,社会に存在する課題に対して多様な社会科学の知識を駆使して,それらの解決を実現できる人材になってください。
【大学院生向け】
総合政策科学研究科は多彩な学問領域の知識を学ぶことができます。皆さんの問題意識・課題への様々なアプローチを試行錯誤・思案できる学びの場であり,複雑化する社会において求められる多様な側面からモノ・コトを捉えられる場でもあります。