政策学会講演会特集
政策学会講演会(レポート)
『企業経営 x ダイバーシティ~人こそが会社の価値。キンドリル、3年間の軌跡~』
テーマ | 『企業経営 x ダイバーシティ~人こそが会社の価値。キンドリル、3年間の軌跡~』 |
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講師 | 松本 紗代子 氏 |
日時 | 2024年11月5日(火)16:40~18:10 |
会場 | R301 |
2024年11月5日,政策学会講演会(「現代社会と組織」)に講師としてキンドリルジャパン株式会社専務執行役員プラクティス事業本部長 兼 インクルージョン・ダイバーシティ&エクイティ担当を務められる松本紗代子氏をお迎えして,「企業経営 x ダイバーシティ ~人こそが会社の価値。 ~キンドリル、3年間の軌跡~」と題して講演をいただいた。松本氏は,キンドリルジャパンのID&E(Inclusion,Diversity & Equity)を推進する責任者として,キンドリルジャパンのダイバーシティマネジメント,そして企業経営を牽引される立場にある。その立場から,松本氏には企業がID&Eを進める上での要諦について詳細な資料を準備いただき,自身の御経験も踏まえながら講演を実施していただいた。
まず,IBMから分社化されたキンドリルジャパンの企業紹介,そのキンドリルジャパンが創業以来他の企業までも牽引する形でID&Eを進めてきたことを紹介いただいた。この紹介により,キンドリルジャパンがID&Eを戦略として高いプライオリティに位置づけていること,その重要性についての理解が深まった。その後,ID&Eを実践するためには,ID&E推進リーダーは人事ではなく経営の責任者であることが重要であること,人事制度によってID&Eを推進する仕掛けを設けることの有効性などについて説明いただいた。特に,キンドリルジャパンにおける人事評価の50%が他者に対する貢献・責任(Responsibility for Others)であることの説明に対しては,驚きの表情で聴講する受講生が多かった。また,同席されたキンドリルジャパン社長補佐である大竹広恵氏からも,キンドリルの女性社員のキャリア育成やネットワーキングを促進する女性リーダー(KINs Women Lead)として取り組んでいることについて説明いただいた。
松本氏の講演は,ID&Eの重要性そしてそれが持つ戦略性について受講生が深く理解する機会となった。学生たちは熱心に松本氏・大竹氏のお話を聞き,質疑の時間では質問も複数あり,充実した講演会であった。
(政策学部教授 田中 秀樹)
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