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政策最新キーワード

タピオカブームに潜む要因を解明する

投稿者 多田 実:2020年1月1日

投稿者 多田 実:2020年1月1日

新年あけましておめでとうございます!(この原稿を書いているのは12月上旬ですが...笑)

日本経済新聞社がマーケティング情報に特化した専門紙として発行している『日経MJ』において、毎年恒例の2019年ヒット商品番付が12月4日に発表されました。東の横綱「ラグビーW杯」、西の横綱「キャッシュレス」、東の大関「令和」に続く西の大関が「タピオカ」です。何故、これほどまでにタピオカのブームが長期間続いているのか、諸説ありますが、ここではマーケティング思考、とりわけSNS(インスタグラム)マーケティングの観点で考察していくことにします。

タピオカの長期間にわたる大ヒットは、マーケティングの伝統的な考え方「4P」(Product・Price・Place・Promotion)に基づく企業の経営努力や旅行先として台湾が人気であることなどの要因がその背景にあることは否定できませんが、それだけではこの長期間のヒットをスッキリとは説明できず、いわゆる「インスタ映え」に注目して分析する必要があるでしょう。そこで、今回、インスタグラムでの人気ハッシュタグや年間トレンドが分かる分析ツール「NEWSCAST」 を利用してみました。その結果、「#タピオカ」タグに関連する人気キーワードが「ハッシュタグ候補」として出力されたのですが、ハッシュタグ候補の重要度を図示するために、さらにこれらのキーワード(タグ)をテキストマイニングの分析ツール に入力して「ワードクラウド」で示したのが以下のスクリーンショットです。

tapioka.1

ワードクラウドでは、重要な用語ほど大きく、真ん中に集められていることから、「ミルクティー」がタピオカブームのベースになっていることが分かり、大ヒットの影に隠れた中心的存在の1つであることがうかがえます。

さらに、「NEWSCAST」では、インスタグラム投稿で「#タピオカ」と同時によく使われるハッシュタグをランキング形式で示してくれる「同時に使われているタグランキング」という機能があります。

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これもまた、テキストマイニング分析を行い、ワードクラウドで図示してみた結果、単純に登場頻度が大きい「ミルクティー」が中心になっていますが、「#タピオカ」と同時に「#かわいい」や「#美味しい」といった形容詞や、「繋がる(#相互フォロー #○○と繋がりたい など)」といった動詞もよく使われていることが特徴的です。

tapioka.3

「かわいい」など、いわゆる「映え」関連のハッシュタグが同時に使われていることは、ある程度、予想できていましたが、思いのほか「繋がりたい」系タグがあることから、インスタグラムが同じ趣味趣向の人たちとの「出会いの場」として期待されていることを実感します。そして、より多くのバーチャルな出会いを求めるための行動が、同時に使われているタグランキング1位の「#タピ活」であり、2位の「#カフェ」に行くことなのですね。

今ほどインスタグラムが流行っていない頃は、インスタグラマーやインフルエンサーと呼ばれる、少数の影響力のある有名人の投稿がブームを作っていると考えられていましたが、そうではない大勢のフツーの人たちの「活動(行動)」そのものがブームを作り継続させていて、より重要な要因になっているように思われます。そういえば、2010年ごろツイッターで大流行した「ドロリッチなう」という写真投稿も、SNS上での「コト消費」でした。インスタグラムでの「タピ活で<タピる>」ことはその現代版といえるかもしれません。2020年、みなさんは、どのような「活動」をしますか?