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政策学部・田中宏樹ゼミ「たつの市地域創生アイデアコンテスト」で7年連続最優秀賞受賞
2025年7月19日、大阪大学、同志社大学、兵庫県立大学、関西学院大学、甲南大学、京都産業大学の6大学、57名の学生出場のもとに実施された「たつの市地域創生アイデアコンテスト2025」で、政策学部田中宏樹ゼミ3年次生の鎌倉咲季さん、田畑美紗稀さん、近井俊介さん、徳田大空さん、渡辺彩巴さん、和田明莉さんの行った政策提言が、見事、最優秀賞に輝きました。
6人は、江戸時代には北前船の寄港地となり、廻船交易の要所として栄えたたつの市室津漁港のにぎわいを再興すべく、海洋生態学の学術的知見を踏まえた最新のマリンテックを活用することで、室津漁港周辺の海洋資源の多面的活用を目指す「里海の地域創成策」を構想しました。具体的には、沿岸域の貧栄養化を一因とする魚種・漁獲量の減少、CO2の貯留源としての未活用、生物多様性の宝庫である海洋生態系の価値の啓発不足の3点がたつのの海が抱える課題であるとし、75か国で導入実績のある沿岸人工藻礁「リーフボール」の設置を梃とした藻場造成の政策コンテンツ「藻BANK」を考案、海洋生物の住処を増やすことで水産振興を図りつつ、炭素の海底貯留(ブルーカーボン)を活用した脱炭素のクレジット化を推進するとともに、地元小学生によるミニ藻礁の人工成育と浅瀬での造成、繁茂した海藻の調理・摂食による食育を含めた海洋生態系学習を実践する「漁業×脱炭素×環境教育」から成る海の価値創造の政策パッケージを提示し、室津漁港一帯を海の多様な生業(なりわい)が成立する「海業」の拠点として更新することを提言しました。
「海の蘇生」をテーマとする大阪・関西万博が開催されるなど、海がグローバルな社会課題として注目されていることを見据えたテーマ設定自体に先進性があること、地元漁港での人工藻礁設置の機運を捉え、その取り組みを活かしつつ、マリンテックのアイデアを付加することで、より効果的な藻場の造成につながる可能性を学術的知見に基づく論拠を提示しつつ、独創性と実現可能性を両立させて主張できていること、さらに、多額の予算を要することから、ローカルSDGsに向けた種々の取り組みの中でも、自治体の単独施策として進捗しづらい環境施策を、水産振興や海洋生態系教育とマッチングさせた脱炭素の手段として昇華させることで、ブルークレジットの販売による収益化も見込めるシナジー効果の高い政策パッケージに組み上げられていることが、市長をはじめとする審査員からの高評価へと結びつきました。田中宏樹ゼミとしては、2019年度の初回大会以来、毎年出場していますが、今回で7年連続での最優秀賞受賞となりました。


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