教員紹介
とがし こうすけ
富樫 耕介教授
| 研究分野(学部) | 国際政治学(紛争研究)、旧ソ連地域研究 |
|---|---|
| 研究テーマ(大学院) | 冷戦後の紛争に関する研究、旧ソ連地域研究 |
| 研究室 | 渓水館222号室 |
| 個人ホームページ |
研究の関心(研究内容を含む)
これまで冷戦終結後の紛争や平和に関わる理論的研究、旧ソ連地域の紛争の比較研究、そしてチェチェン紛争の研究に取り組んできました。紛争や平和に関する理論的研究とは、紛争の発生・激化・鎮静化などのダイナミクスとそれが起きるメカニズムの研究です。また国際社会が紛争の解決のためにいかなる関与が可能なのかについても研究し、『激化する紛争への国際関与』(晃洋書房、2025年)や『国際社会の紛争解決学』(法律文化社、2025年)にまとめました。
旧ソ連地域の紛争の比較研究では、コーカサス地域の紛争を比較し、いかなる問題を提起しているのかを考察してきました。その成果は『コーカサスの紛争』(東洋書店新社、2021年)や『現代ロシア政治』(法律文化社、2023年)[分担執筆]にまとめています。引き続き、旧ソ連地域の紛争の類型化や他地域との比較にも取り組みたいと思っています。
チェチェン紛争については、この紛争のダイナミクスを説明する分析枠組みの研究に取り組み、『チェチェン 平和定着の挫折と紛争再発の複合的メカニズム』(明石書店、2015年)を刊行しました。現在は、紛争後の権威主義体制下の「平和」についても研究しており、最近の成果は、『紛争地域における信頼のゆくえ』(東京大学出版会、2025年)[分担執筆]にまとめました。
最後に上記の研究から派生する作業として、コーカサスや中央アジアの治安やテロ、特にイスラーム急進主義者の動向について研究し、メディアや雑誌等でも解説してきました。以上は、冷戦後の国際政治の主要な課題(国家の枠組みが揺らぎ、民族の独立、紛争やテロへなど問題に直面している)を考究するという意味で共通性を持っています。
プロフィール
1984年東京生まれ。幼少期に横浜に引っ越し大学卒業まで住んでいました。大学は、横浜市立大学に在籍。入学前にNGOの会合に参加し、チェチェン紛争という聞きなれない紛争の規模と惨状に驚き、大学での研究テーマとすることを決めました。大学では、チェチェン難民の支援のために2度アゼルバイジャンへ向かいました。その後、研究者を志し、東北大学の修士課程に入学、イスラム圏研究講座という少し風変わりなところに所属しました。博士課程は東京大学の総合文化研究科に入学し、研究をしながら1年間、外務省において国際情報統括官組織で専門分析員として働きました。博士課程では長年関心を持ってきたチェチェン紛争に関する論文を書き上げ博士号を頂きました。その後、日本学術振興会特別研究員などを経て、在ウズベキスタン日本国大使館専門調査員として勤務しました。総理訪問受け入れ業務、独裁者であった大統領の突然の死去もあり、仕事は忙しかったのですが、貴重な経験になりました。東海大学での勤務を経て、2020年より本学に着任しました。
下記URLをご参照ください。
https://space28.webnode.jp/
講義・演習・少人数クラスについて
【学部科目】
「国際政治学」では、国際政治を理解するための分析枠組みを習得します。「国際平和政策論」では、国際社会が平和の実現にいかに取り組んできたのかを学びます。紛争研究の先端的知見を生かした難易度の高い講義ですが、私が「学生時代に受けたかった授業」をコンセプトにしています。演習では、各人が特定のテーマを研究する方法について実践的に学びます。文献講読や発表、討論を通し講義・演習・少人数クラスについてて批判的・論理的思考力を身に付け、質の高いゼミ論・卒論を目指します。演習では国内・海外FW(25年度は月村ゼミと合同で沖縄とバルカン研修)も実施し、関西国際関係合同ゼミで発表します。ゼミ受講(希望)者は、国際政治学と国際平和政策論は、必ず受講してください。
【大学院科目】
「国際社会論研究」も演習も、英語や日本語で複数の学術論文や学術書を講読し、著者になり代わり発表し、聴衆の質問に答えつつ、批判的に検討します。演習では質の高い修論・博論を目指します。
受験生へのメッセージ(学部・大学院)
【学部生向け】
国際社会は、今、過去に例を見ない大きな変動の時を迎えています。大国による戦争が起き、倫理や規範、正義が後景に退き、力や不寛容、感情が隠されもせず、表に出る時代になりました。国内でも、感情に訴える政治家が増え、ポピュリズムが大きな問題になっています。紛争や対立は、なぜ発生するのか、もう一度問い直し、これにどう対応するのかを考える、紛争解決学の必要性が高まっています。学際的なアプローチが可能な政策学部で、国際政治学や国際平和政策論について学んでみませんか?私は、研究者としての知見に加え、外務省や在外公館、NGOでの活動を通した知見、そして紛争地など「現場」で見た知見を活用した、知的興奮で満ちた授業をご用意してお待ちしています。
【大学院生向け】
研究とは、ある意味で「独りよがり」です。自分がどうしても惹きつけられる知的関心や疑問があり、それを研究せずにはいられない。そうした知的欲求と、自分を突き動かす熱量があなたにあることが、実は一番大切です。修士論文であれ、博士論文であれ、学問の真理を追求し、成果としてそれをまとめることは、大変な作業です。しかし、苦しい時にも研究を継続できるかどうかは、あなた自身に研究への「こだわり」があるかであり、それは、知的関心や研究の動機、つまり、最初に興味を持って惹きつけられた研究への熱意が今も、あなたの心に燃えているかという点にかかっています。あなたが強く惹きつけられる研究分野が私の研究内容と一致していたら、遠慮せずに私のもとを訪ねてください。その研究をいかに進め、外部にどのように成果や意義を示すのかについては一緒に考えましょう。