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教員紹介

富樫 耕介准教授

とがし こうすけ

富樫 耕介准教授

研究分野(学部) 国際政治学(紛争研究)、旧ソ連地域研究
研究テーマ(大学院) 冷戦後の紛争に関する研究、旧ソ連地域研究
研究室 渓水館222号室
個人ホームページ

研究の関心(研究内容を含む)

 これまで冷戦終結後の紛争や平和に関わる理論的研究、旧ソ連地域の紛争の比較研究、そしてチェチェン紛争の研究に取り組んできました。
 紛争や平和に関する理論的研究とは、紛争の発生・激化・鎮静化などのダイナミクスとそれが起きるメカニズムの研究です。また国際社会が紛争の解決のためにいかなる関与が可能なのかについても研究しています。これは、近年、紛争解決学として注目を集めている分野でもあります。
 旧ソ連地域の紛争の比較研究では、コーカサス地域の紛争を比較し、いかなる問題を提起しているのかを考察してきました。その成果は『コーカサスの紛争』(東洋書店新社)として出版しました。またロシア政治と民族問題についてメディアで解説したり、『現代ロシア政治』(法律文化社)の分担執筆をしたりしました。今後は、旧ソ連地域の紛争の類型化や他地域との比較にも取り組みたいと思っています。
 チェチェン紛争の研究では、この紛争のダイナミクスやメカニズムを説明する分析枠組みを提供することに取り組んできました。その成果は『チェチェン 平和定着の挫折と紛争再発の複合的メカニズム』(明石書店)として刊行しました。現在は、紛争後の権威主義体制下の「平和」について研究しています。
 最後に上記の研究から派生する作業として、コーカサスや中央アジアの治安やテロ、特にイスラーム急進主義者の動向について研究してきました。以上の研究は、冷戦後の国際政治の主要な課題(国家の枠組みが揺らぎ、民族の独立、紛争やテロへといった問題に直面していること)を考究するという意味で共通性を持っています。

プロフィール

1984年東京生まれ。幼少期に横浜に引っ越し大学卒業まで住んでいました。大学は、横浜市立大学に在籍。入学前にNGOの会合に参加し、チェチェン紛争という聞きなれない紛争の規模と惨状に驚き、大学での研究テーマとすることを決めました。大学では、チェチェン難民の支援のために2度アゼルバイジャンへ向かいました。その後、研究者を志し、東北大学の修士課程に入学、イスラム圏研究講座という少し風変わりなところに所属しました。博士課程は東京大学の総合文化研究科に入学し、研究をしながら1年間、外務省において国際情報統括官組織で専門分析員として働きました。博士課程では長年関心を持ってきたチェチェン紛争に関する論文を書き上げ博士号を頂きました。

その後、日本学術振興会特別研究員などを経て、2015年より在ウズベキスタン日本国大使館専門調査員として勤務しました。総理訪問受け入れ業務、独裁者であった大統領の突然の死去もあり、仕事は忙しかったのですが、貴重な経験になりました。東海大学での勤務を経て、2020年より本学に着任しました。

講義・演習・少人数クラスについて

【学部科目】

 国際政治学では、国際政治を理解するための分析枠組みを習得します。国際平和政策論では、国際社会が平和の実現にいかに取り組んできたのかを学びます。紛争研究の先端的知見を生かした難易度の高い講義ですが、私が「学生時代に受けたかった授業」をコンセプトにしています。演習では、各人が特定のテーマを研究する方法について実践的に学んでいきます。文献講読や発表、討論を通して批判的・論理的思考力を身に付け、質の高いゼミ論・卒論の完成を目指します。演習では国内・海外FW(23年度は月村ゼミと合同で沖縄とバルカン研修)も実施し、関西国際関係合同ゼミで発表も行います。

【大学院科目】

  国際社会論研究では、英語や日本語で複数の学術論文や学術書を講読し、著者になり代わり発表し、聴衆の質問に答えつつ、批判的に検討します。

受験生へのメッセージ(学部・大学院)

【学部生向け】

政策学部は、学際的学部です。つまり、学びたいことを枠にとらわれることなく、自ら発展させ学ぶことができます。グローバル化が進む現在において国際社会の様々な問題を理解し、その対応について考えることは不可欠ですが、このような複合的な問題には、政策学のような学際的なアプローチが強く求められています。あえて国際系学部ではなく、政策学部で国際政治学や国際平和政策論について学んでみませんか?私は、研究者としての知見に加え、外務省や在外公館、NGOでの活動を通した知見、つまり、外交やインテリジェンス(情報分析)、そして紛争地など「現場」での経験を活用した知的興奮で満ちた授業を用意してお待ちしています。

【大学院生向け】

研究とは、ある意味で「独りよがり」です。自分がどうしても惹きつけられる知的関心や疑問があり、それを研究せずにはいられない。そうした知的欲求と、自分を突き動かす途方もない熱量があなたにあるとしたら、それに従うべきです。でも、同時に学問の真理を追求し、成果としてそれをまとめようと考えているのなら、社会的にその意義を説明できなければなりません。あなたが強く惹きつけられる研究分野が私の研究内容と一致していたら、遠慮せずに私のもとを訪ねてください。その研究をいかに進め、外部にどのように成果や意義を示すのかについては一緒に考えましょう。