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教員紹介

野間 敏克 教授

のま としかつ

野間 敏克 教授

研究分野(学部) 地域経済にとって望ましい地域金融の研究
研究テーマ(大学院) 地域金融のための金融システム設計
研究室 渓水館216号室

研究の関心(研究内容を含む)

 大学院を出てから私が研究対象としてきたのは、日本の金融に関することがらです。銀行の合併大規模化は望ましいのか、銀行と企業の関係がどのように変化してきたのか、協同組織金融機関は人々の役にたっているのか、など、かなり身近な問題を経済学の考え方と現実のデータを用いながら分析してきました。

 神戸商科大学で様々な「地域」の問題に触れることが多くなってから関心が強まったのは、地域の中小企業への資金融通をどんなルートで実現していくかという点です。日本経済の生産や雇用の相当な部分が中小企業によって支えられていますから、彼らに適正な資金が流れなくては日本経済の地盤がゆらいでしまいます。そのために中小企業専門の金融機関があり、政府金融機関や、公的な保証制度などの仕組み作られてきました。それらは、リーマンショックや東日本大震災、コロナ禍でも一定の役割を果たしました。しかし現在では、ITの発達によって新たな仕組みが登場しています。クラウドファンディングに代表されるフィンテックです。伝統的な中小企業金融の仕組みとともに、これらの新しい手段をどう組み合わせるのが望ましいのか。それがここ数年の私の研究テーマです。

プロフィール

私は愛媛県の離島の出身で、高校1年の時には自転車とフェリーボートで通学していました。今は「しまなみ海道」が通って陸続きになりましたが、ストロー現象によって過疎化が加速した典型的なところだと思います。でも「しまなみ」沿いの風景は見る価値ありで、ガイドブックに取り上げられることの多いわが島の亀老山展望台からの景色はおすすめです。大学は同志社の経済学部でした。東一条に下宿して、週に何度も通った図書館、本屋・古本屋、深夜喫茶、安い食堂・ラーメン屋と、京都での学生生活を楽しみながらも、早くから大学院進学を考えていました。大学院は、ゼミの先生からの薦めもあって、故蝋山昌一先生などがいらした大阪大学の経済学研究科に進みました。飛び抜けた人との能力差を感じながらも勉強や研究を始め、大阪大学助手を経た後、神戸商科大学(現兵庫県立大学)に就任しました。学科160人の学生に20人の教員という小規模な大学で、非常に自由な活動ができました。とくに阪神淡路大震災後に役割を増していたNPOやコミュニティ・ビジネスの方々との接点がもてて、「地域」への関心が高まりました。創設と同時に移籍した同志社政策学部でも、おもに地域金融に関わる研究を行っています。

講義・演習・少人数クラスについて

【学部科目】

 学部一年次生むけの基礎科目として「現代経済入門」を担当しています。近年の経済の動きを知ることと、その動きをより深く理解するための見方や考え方を学びます。三年次生以上には、「金融制度」と「金融政策」の講義があります。科目名のとおり、前者は銀行や証券市場などの金融の仕組みとその機能を解説し、後者は日本銀行が行う金融政策の理論と実践を紹介しています。

 演習は「日本の経済政策」をテーマとし、卒業論文にむけて段階的に学習を進めています。2年生ゼミの演習Ⅰでは、幅広い問題に関心がもてるよう『経済財政白書』を輪読し、日本経済の現状と課題をつかみ、同時にデータ収集とグラフ活用の仕方を学びます。その後演習Ⅱ以降は、各人の関心に沿って、文献探索と発表、データ分析と報告を繰り返します。

【大学院科目】

 大学院では「地域金融研究」という科目を担当しています。前半は講義中心ですが、後半は受講生の問題意識に応じて学習と報告を求めます。演習科目は、修士論文や博士論文を執筆するために必要なことを、積み重ねていきます。

受験生へのメッセージ(学部・大学院)

【学部生向け】

 同志社大学政策学部は、他の大学や同志社の他の学部と比べても、とても自由度が高い学部です。必修科目や選択必修科目の縛りは少なく、あとで取り戻す機会を多く作っています。それだけに、自分で調べ判断し行動することが強く求められており、自己責任学部とも言えると思います。学部創設の時から新しいことをやってみたい学生が常にいて、まわりの学生や教員も巻き込んで何かを起こしてきました。入学してから頭に浮かんだことを、学部教員にぶつけてみてください。私たちは出来るかぎり、それに応えたいと思います。

【大学院生向け】

 総合政策科学研究科創設時には、夜間や土曜授業で社会人の高度教育という狙いがあり、社会人が多くを占めていたようですが、現在では、社会人、学部からの進学者、留学生が入り交じった構成となっています。それだけに多様な背景と考え方をもった学生と接することができる場となっています。社会人には明確な問題意識をもって入学することが求められますが、学部からの進学者の場合には専門的で多様な見方を身につけて学部時代より成長して社会に出て行く学生も多く見られます。