教員紹介
ねぎし しょうこ
根岸 祥子 准教授
研究分野(学部) | 先進国・開発途上国における国際資本の役割 |
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研究テーマ(大学院) | 国際資本投資と政策の役割 |
研究室 | 渓水館230号室 |
メールアドレス | snegishi@mail.doshisha.ac.jp |
研究の関心(研究内容を含む)
今日、世界中で当たり前のように莫大な資金のやり取りが行われています。国外からマネーが流入してくるということは、他の国や地域で発生した金融危機やその他の地政学的リスクに常に晒されていることを意味します。そのような負の側面を最小限にとどめるために、容易に引き上げられる投機マネーではなく、国の実体経済に長期的、安定的に貢献する投資をいかにして誘致し、その付加価値を最大化することができるのかについて長年研究してきました。また、昨今では、国内外で金融サービスへのアクセス格差を解決する金融包摂という考え方が開発途上国・新興国のみならず先進国においても重要な課題となっており、特に情報通信技術が金融包摂に果たす役割について考察しています。
プロフィール
神奈川県横浜市出身。慶應義塾大学商学部に在学中に英国オックスフォード大学の留学生として1年過ごし、帰国後は計量経済学のゼミで学びました。卒業を前にして、就職するか進学するかの選択で悩みましたが、もう少し勉強を続けたい気持ちが強く、そのまま商学研究科修士課程に進学しました。その後、再びオックスフォード大学の大学院に留学し、国際経済・金融の勉強を続ける中で、世界銀行本部(米国ワシントンDC)での夏季インターンシップに2度参加する機会に恵まれました。3度目の機会で世界銀行のエコノミストとして勤務することになり、オックスフォードからワシントンDCに移り住みました。世銀での仕事は大変ながらも充実した毎日を送る中、いつの間にか5年の歳月が流れていました。5年の節目に際して、世銀でのキャリアを積み米国に留まるか、あるいは他の仕事に挑戦すべきかをぼんやりと考え始めていたところ、縁あって神戸大学経済学部で職を得ました。その後、同志社大学政策学部に赴任するとともに、子供時代からの憧れの京都に居を移し、今日に至っています。
講義・演習・少人数クラスについて
【学部科目】
国際金融入門、国際金融市場政策、国際機構の講義を担当しています。『国際金融入門』では国際金融市場で発生するリスクや問題を考えるきっかけを提供し、『国際金融市場政策』では国際金融市場を取り巻く政策・制度について学びます。『国際機構』においては、国連に代表される超国家的な組織の役割と意義について考えます。いずれの講義でも、直近のニュース解説を通して、生きた知識を学んでもらいます。ゼミでは、国際社会の課題について金融・経済の切り口で考えていきます。グループ発表やディベートを通じて国際金融の知識を身に付けつつ、その知識を実際の問題解決に結び付けられるようフィールドワークを行います。
【大学院科目】
国際開発金融論の基礎と応用に関するテーマについて、さまざまな角度から考えていきます。
受験生へのメッセージ(学部・大学院)
【学部生向け】
政策学部は、「社会科学」全般を学ぶ学部であり、社会のあらゆる課題を学際的に把握し解決策を提案することができる人材の育成を目指しています。そのために、さまざまな分野についての理解を深めると同時に、自分の考えを正確かつ説得的に伝える能力を身につけていきます。私が専門とする国際金融を学ぶことで、国境を超えたお金の流れとその背後にある人間の行動原理について考えるきっかけとなればと思います。
【大学院生向け】
学部での学びを終えて、さらに研究を続けたい人だけでなく、仕事をする上でグローバルな視点を身につけたい、国際的な資金の流れについて理解を深めたいと考える人にもここでの研究を役立ててほしいと思います。