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教員紹介

中尾祐人 助教

なかお ゆうと

中尾 祐人准教授

研究分野(学部) 法学、行政法、行政調査
研究室 渓水館105号室
メールアドレス ynakao@mail.doshisha.ac.jp

研究の関心(研究内容を含む)

 行政調査とは、行政による情報収集活動一般のことをいいます。所得の正確な把握のために国税局が事業所へ立入検査を行うのはその典型例です。調査の先行しない行政決定はなく、行政活動を行う上で行政調査は必要不可欠です。他方で、行政による情報収集活動はプライバシー侵害の危険を伴います。そのため、調査の必要性とプライバシーの利益とをどのように調整するかが大きな問題となるのです。特に近年の情報技術の発達により、このような利益対立を考察し調査の許容性を論じる重要性は増しています。例えば,最も苛烈な例として米国のNSA(国家安全保障局)による通信傍受を挙げることができます。2013年のエドワード・スノーデンによる告発によって、NSAが全世界のインターネット及び電話回線を監視していることが明らかとされました。秘密裏に計画されるテロを未然に防ぐためには、犯行前の通信傍受による情報収集と、その情報を利用したテロリストの特定が必要不可欠ともいえます。しかし他方で、国家による広汎な監視は、人々に言論活動を含む行動を萎縮させ、民主主義にも重大な影響を与えます。いかなる法的手法により国家機関による情報収集に際し対立する利益の調整を行うべきか、これを解明することが私の研究目標です。

プロフィール

1988年大阪市生まれ。大阪府立高津高等学校を経て、2007年に神戸大学法学部に入学しました。大学時代は、友人とともに立ち上げた草野球サークル、フットサルサークルで充実した日々を送るとともに、小中学生と長野県の山中で共同生活を行うキャンプリーダーの活動にも熱中しました。大学の四年時に自らの将来について悩み抜いた結果、研究の道に進むことを決意。法学研究者を目指すならば司法試験に合格しておいた方が良いという当時の指導教員の勧めに従い、神戸大学ロースクールに進学しました。ロースクール時代は、寝ている時間と食事をしている時間以外は全て法律漬けという日々を過ごし、2015年に司法試験に一発合格。同年神戸大学法学研究科助教に就任、2020年より同志社大学政策学部助教となりました。専門法分野は行政法ですが、司法試験合格という経歴を活かして、法分野横断的に研究を行うことを心がけています。学生からも、法律に関することであれば広く質問してもらえたらと思います。

講義・演習・少人数クラスについて

<演習>行政法研究

 演習を通じた最終的な目標は、(1)現行法を用いて具体的な問題を解決する力(法を適用する力)と、(2)具体的な問題解決のために新たな立法等の手段を提案する力を養うことです。当演習ではこれらの力を養うために、現代社会に存在する問題解決のための法的な制度設計の読み込みと、政策実施を担う行政現場で現実に起きている諸問題(しばしば立法時には想定されていなかった付近住民の不満などの諸問題)を知るためのフィールドワークを行います。演習の中で取り扱う具体的なテーマ(社会に存在する問題、それに関連する個別法)は学生の関心にあわせて設定します。法による公益目的の実現という現象は、きわめて多様な分野でみることができるので、学生の関心にあわせた自主的なテーマ設定が可能です。

 もちろん、法的な考察を行うためには法学に関する知識が必要となりますが、その点は演習の中で指導していく予定ですので、予備知識は特に必要ありません。代わりに、学生には自ら問題意識を持ち主体的に活動する姿勢を求めます。また、机上の議論を行うのみでなく、現場に足を運ぶことも重視した活動を行います。現実と理論とを行き来しながら問題解決に取り組む姿勢を持った人を望んでいます。

 様々なことに挑戦し、視野を広げるとともに、ゼミ活動を通じて人としての魅力を深められることを願っています。

<少人数クラス>判例精読分析

 日本においては国会が唯一の立法機関です。すなわち、法律を成立させることができるのは国会だけなのです。例えば、民法、刑法、消費者契約法、食品衛生法、新型インフルエンザ等対策特別措置法といった法律は、すべて国会が制定したものになります。しかし、現実社会においてはしばしば法律の制定時には誰も想定すらしていなかった問題が生じる場合があります。そういった社会問題に対し、司法を通じた解決が図られる場合がしばしばあります。本講義では,司法が社会問題に対しいかなる形で影響を与えているかの分析を試みます。具体的には、近年の重要判例を取り上げ、前提となっている議論を整理した上で、その論理、実務・社会に与えた影響を分析します。

受験生へのメッセージ(学部)

政策学部では,様々な学問分野の中から自分の学びたいことを重点的に学ぶことができます。したがって受験にあたって自分の興味関心を固めておかなくても,入学後にいろいろな授業を聞いて,その後に何を学ぶかを決めることができます。しかし,入学後も何を学ぶかの決断をしない場合,誰もあなたの学びの指針を定めてくれません。今は何に興味があるのかわからないとしても,入学後に自分の興味関心を探るという意欲をもって政策学部を志してもらいたいと思います。