教員紹介
いりえ ようこ
入江 容子 教授
研究分野(学部) | 地方自治体の組織的問題-構造・管理・政策- |
---|---|
研究テーマ(大学院) | 地方自治体の組織的問題-構造・管理・政策- |
研究室 | 渓水館207号室 |
研究の関心(研究内容を含む)
私の研究関心は、地方自治体の組織にかかる様々な問題についてです。地方自治体を研究対象とする際には、その活動のアウトプットとしての政策を扱う場合や、そこを主な舞台とした政治的営為としての地方政治を扱うものなど様々なアプローチがありますが、私は地方自治体を1つの組織体として捉えた時に、どのような課題があるのかという視点から研究を行っています。
具体的には、自治体組織を中心に考えた場合、外的な関係性としては、その時代時代の社会経済環境や様々な法的・制度的環境、中央地方関係、ガバナンスといったものが影響を与える要因となります。また、内的な要素としては組織構造や組織編成、職務構造、組織内ルール、人的資源管理といったものが存在します。こうした外的要因と内的要素の関係性や相互作用などについて、ミクロとマクロの視点を接合させ、理論と現場をつなぐような研究を志しています。
こうした私の研究関心は、私がかつて大学を卒業した後に会社員として働くなかで、公共事業や自治体行政について感じたいくつもの「?」に端を発しています。その時の「?」の感覚をこれからも大事にし、研究活動を通して少しでも自治体行政の現場に貢献できることがあればと考えています。
プロフィール
京都市生まれ。同志社大学法学部政治学科卒。学生時代はもっぱらスポーツ中心ののびのびとした学生生活を送りました。学部卒業後は民間企業に就職したのですが、たまたま担当した仕事が公共事業だったことから公共事業のあり方、実施主体としての自治体組織の抱える課題などに直面しました。こうした問題について研究面から解決の方向を探りたいという青い(若い)憤りから退社し、その頃まだ開設されて問もない総合政策科学研究科に入学しました。当時一人暮らしをしていた私の元に同志社大学の広報誌が届き、その中に「総合政策科学研究科が開設されます」という記事がなければ、今の私はありませんでした。人生何があるかわからないものです。
2003年に愛知大学法学部に講師として着任し、准教授、教授を経て、2021年より母校に戻ってきました。
講義・演習・少人数クラスについて
【学部科目】
学部の演習では自治体組織を中心としてその内外における課題を発見し、様々な角度から解決策を探っていきます。内的課題としては人事・組織管理,働き方や職務分担などが、また外的課題としては中央地方関係や住民との関係、活動のアウトプットとしての各種政策などがあります。まずはテキストで基礎知識を習得し、そのうえで主にグループによる課題設定と解決策の検討を行ってもらいます。最終的な目標として学術論文としてまとめてもらうほか、皆さんと相談の上、政策コンペへの出場や地域との連携事業などにも取り組むことがあります。
【大学院科目】
大学院の演習で扱うテーマは基本的には学部と同様ですが、より受講生の関心に沿った指導を行います。まず論文を書くための基礎知識をしっかりと身に付けてもらいます。その上で皆さんの問題関心に基づいたテーマを選択してもらい、学術的にどのようなアプローチができるのかということを一緒に考えながら分析・考察を深めていく作業を行います。
受験生へのメッセージ(学部・大学院)
【学部生向け】
皆さんは、社会で起こる様々なことに漠然と疑問を感じておられませんか。政策学部では、皆さんのそうした自由な関心、問題意識を受け止める自由な学びと幅広い専門分野の教員が揃っています。社会の問題解決としての「政策」をここで学び、これからの社会をデザインしていきませんか。意欲ある皆さんをお待ちしています。
【大学院生向け】
総合政策科学研究科は、年齢や社会的立場を超えて、様々な問題関心を持った院生同志が刺激し合う学びの場です。ぜひここで皆さんの問題意識を学術的に組み立て、研究活動のスタートの場として下さい。