政策学部講演会特集
政策学会講演会(レポート)
『米中貿易戦争と崩壊の危機にある世界貿易体制:日本の果たすべき役割』
テーマ | 『米中貿易戦争と崩壊の危機にある世界貿易体制:日本の果たすべき役割』 |
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講師 | 浦田 秀次郎 氏 |
日時 | 2019年11月21日(木) 9:00~10:30 |
会場 | 新町キャンパス尋真館(Z31) |
去る11月21日、政策学会講演会に講師として早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の教授である浦田秀次郎氏をお迎えし、「米中貿易戦争と崩壊の危機にある世界貿易体制:日本の果たすべき役割」というタイトルでお話しいただいた。浦田氏は、アジア太平洋地域の地域経済統合や日本の果たすべき役割について長年にわたって研究を積んで来られたご経歴から、現在の国際貿易や通商体制の現状と問題点、及び、今後の課題について詳細なレジュメを用意され、わかりやすくお話をいただいた。
まずは、現在も解決の見込みが立っていない米中貿易戦争の発生要因とその影響について、詳しく解説をいただいた。なかでも、第2次世界大戦以前の世界の貿易や貿易政策の状況と対比させながら、現在の事態が如何に看過できない状況であるのか、についての説明は非常に説得的であった。さらに、現在、米国が用いている貿易手段では、米国が解決したい国内の問題を根本的に解決できない可能性が大きいことも同時に指摘され、米中貿易戦争の深刻さが浮き彫りになった。
最後に、今回の米中問題の解決に向けて世界貿易体制の堅持とそれにおいて日本が果たす役割が大きいことについて述べられ、講演は終了した。講演の開始から終わりまで、外部からの参加者を含めて非常に熱心に聞き入り、あっという間の1時間半であった。講演後、参加者から多くの質問が出され、活気のあるうちに会が終了した。
(政策学部教授 岡本 由美子)