政策学部講演会特集
政策学会講演会(レポート)
『研究開発戦略評価と政策評価の比較政策学 -JAXA研究開発戦略部・研究推進部部長と日本評価学会会長とのコラボレーション-』
テーマ | 『研究開発戦略評価と政策評価の比較政策学 -JAXA研究開発戦略部・研究推進部部長と日本評価学会会長とのコラボレーション-』 |
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講師 | 張替 正敏 氏 |
日時 | 2019年10月24日(木) 14:55~16:25 |
会場 | 新町キャンパス臨光館(R201) |
政策評価では政策内容を「知る」こと、それをもとに判断すること、そのプロセスが外部から見えること、これら3つが重要である。しかし科学技術政策の分野、とくに研究にこうした政策評価の3原則がうまく働くかどうか疑問がある。素人には研究自体が難しすぎて何のことか分からないので、政策情報がすべて公開されていても、評価を通じた「シビリアン・コントロール」「レイマン・コントロール」が効かない問題がある。今回の講演会、「研究開発戦略評価と政策評価の比較政策学-日本評価学会会長とのコラボレーション」は、この問題意識から企画した。
そこで10月24日、政策学会講演会に講師として張替正敏氏(宇宙研究開発機構〔JAXA〕研究開発部門研究戦略部長・兼研究推進部長)をお迎えした。張替氏は東京大学で航空宇宙工学を専攻された後、(株)東芝・宇宙開発事業部に入社、その後は科学技術庁、航空宇宙技術研究所、そしてJAXAなど、さまざまなご経歴の中でとくに航空機や宇宙ロケットのナビゲーション・システムの研究と開発に携わってこられた。生粋の理科系の方である。その張替氏が現在JAXA全体の研究評価、技術開発評価をマネジメントする立場におられるので、理科系の研究開発分野で評価がどのように難しいか語ってもらい、その難しさを山谷が比較政策学の視点から分析し、学生諸君に何が難しいのか、その意味を解説した。
講演会終了後、学生諸君に書いてもらったアンケートでは、研究評価や開発評価には文科系のマインドが必要で、理科系と文科系のコラボレーションが必要であると考える山谷のメッセージがうまく伝わったと確認できた。
(政策学部教授 山谷 清志)
