政策学部講演会特集
政策学会講演会(レポート)
『スポーツを通じた国際協力』
テーマ | 『スポーツを通じた国際協力』 |
---|---|
講師 | 向山 昌利 氏 |
日時 | 2019年6月25日(火)10:45~12:15 |
会場 | 新町キャンパス尋真館(Z30) |
去る6月25日、流通経済大学准教授の向山昌利氏をお迎えし、「スポーツを通じた国際協力」のテーマで政策学会講演会を開催した。元ラグビー日本代表のバイスキャプテンとしても活躍された向山氏は、ラグビーを通じた国際協力について、学術的な研究を深められるとともに、タイ、インドネシア、ラオス、スリランカ、インドなどアジアの国々をフィールドにこれまで数多くの実践を重ねられてきた。こうした経験から、「スポーツ」と「国際協力」の関係が構築されてきたの背景、効果、問題、課題についてお話しいただいた。
まず、「開発」について、経済開発、社会開発、人間開発のアプローチの違いをそれぞれ説明し、主に社会開発や人間開発の分野でスポーツが活用され始めた理由を説明された。その一つに、ワールドカップやオリンピックなどのスポーツ・メガイベントが社会的なコンセンサスを得るために、自ら社会貢献や課題解決に向けたアクションを展開してきた歴史的背景を指摘された。
そのうえで、こうした国際的動向を背景として日本でスポーツ・メガイベントを契機として展開されているスポーツ・フォー・トゥモローやアジアン・スクラム・プロジェクトの活動について、現場の様子をビデオや写真等を使って、また具体的なエピソードを交えながら、わかりやすく解説され、スポーツの持つ可能性を指摘された。
その一方で、国際協力においては、特に、現地の価値観や文化を深く理解し、受け入れ側の立場に立った客観的な視点を持ち続けることが重要であると繰り返し強調された。
最後に、同志社大学とJICAのインドラグビー派遣の連携について触れられ、その意義と期待される効果、さらに今後の課題について説得的に説明された。
参加者は臨場感あふれる、向山氏の講演に強い関心を示し、終始熱心に聞き入っていた。
(政策学部教授 川井 圭司)
