政策学部講演会特集
政策学会講演会(レポート)
『グローバル・バリューチェーン:「モノ」の貿易から「価値」の貿易へ』
テーマ | 『グローバル・バリューチェーン:「モノ」の貿易から「価値」の貿易へ』 |
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講師 | 猪俣 哲史 氏 |
日時 | 2017年11月13日(月)14:55~16:25 |
会場 | 新町キャンパス尋真館(Z30) |
アジア経済研究所の猪俣哲史研究員に「グローバル・バリューチェーン:「モノ」の貿易から「価値」の貿易へ」という演題で講演してもらった。猪俣氏はグローバル・バリューチェーン研究の第一人者で多くの著作をこれまで世に問うてきた。今回の講演では誰にでも理解できるようにそのエッセンスを紹介してくれた。導入はiPhoneの裏にはMade in USAと書いているのか、Made in Chinaと書いているのかというQuizであった。答えはDesigned by Apple in California Assembled in Chinaである。かように最近の商品は1つの国だけで作られているわけではなく、アメリカでデザインし、日本が心臓部の部品を作り、タイの日系子会社がカメラユニットを作る。中国がアセンブルし、マーケティングはアメリカとバリューチェーンが繋がっている。そしてそのバリューチェーンの連鎖はスマイルカーブと呼ばれ入口と出口の付加価値が高い。入口と出口はアメリカの企業で一番得をし、ボトムのアセンブリーは付加価値率が低い。途上国はバリューチェーンに参加することで発展していくがその中でいかに有利なポジションにつくかが今後の発展にとっては肝要と説いた。熱心に学生は講演を聴き、質疑応答で余程関心があったのであろう、多く面白い質問を猪俣氏にぶつけていた。学生だけでなく一般の参加者もちらほら見受けられた。
(政策学部教授 阿部 茂行)


阿部 茂行(政策学部教授)