政策学部講演会特集
政策学会講演会(レポート)
『開発とビジネス:東アフリカの経験』
テーマ | 『開発とビジネス:東アフリカの経験』 |
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講師 | 佐藤 芳之 氏 |
日時 | 2017年11月10日(金)9:00~10:30 |
会場 | 新町キャンパス臨光館(R301) |
去る11月10日、政策学会講演会に講師としてケニア・ナッツ・カンパニー創業者であり、現在オーガニック・ソリューションズ代表取締役社長の佐藤芳之氏をお迎えし、「開発とビジネス:東アフリカの経験」というタイトルでお話をいただいた。佐藤氏は、35歳の時にアフリカのケニアでナッツ・ビジネスを起業し、世界五大ナッツ・カンパニーになるまでそのビジネスを育て上げた実績の持ち主である。40年以上にもわたるアフリカでのビジネスの経験を、語りかけるように、聴講者にお話しをいただいた。
21世紀に入って、欧米や中国のアフリカへの援助や投資が急速に増える中、日本はどのように日本の存在感をアフリカで示せるのか、日本の大きな外交問題の1つとなった。その時、脚光を浴びたのが、佐藤氏が手掛けてきたビジネスである。現地の人をパートナーとして台頭に扱い、現地の人から慕われつつも、ケニア発の世界に通じるビジネスを創出する。佐藤氏の偉業は、ケニアの現地の人だけで運営ができる企業に育て上げ、それを見届けると、日本人は佐藤氏を含めその企業の経営から完全に手をひいたことであろう。佐藤氏ご自身、援助を必ずしも否定するものではないが、依存ではなく自立を促すビジネスの手法が結果的にアフリカの持続的な開発につながることを大いに強調された。
最後に、アフリカで起業を目指す日本人の若者を支援する事業についても言及された。通常であれば定年となる歳をはるかに超えてもなお世界で様々なビジネスを手掛ける一方、アフリカのような大地で起業を目指す若者を「日本の宝」と称して、その起業家の育成を目指す佐藤氏。あっという間にご講義は終わり、最後、外部の聴講者からも多くの質問が出たのが印象的であった。
(政策学部教授 岡本 由美子)
