政策学部講演会特集
政策学会講演会(レポート)
『女性活躍推進と働き方改革』
テーマ | 『女性活躍推進と働き方改革』 |
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講師 | 石橋 英宣 氏 |
日時 | 2017年5月30日(火)9:00~10:30 |
会場 | 同志社大学新町キャンパス 尋真館(Z20) |
去る5月30日、政策学会講演会に講師として内閣府男女共同参画局男女共同推進官である石橋英宣氏をお迎えし、「女性活躍推進と働き方改革」というタイトルでお話いただいた。石橋氏は、男女共同参画局において、政策の策定、実施に関わって来られた経験から、日本の男女格差の実態と格差解消に向けた政府の取り組み、また「働き方改革」が男女格差解消に果たす役割についてわかりやすく話していただいた。
世界経済フォーラムの統計によると、日本の男女平等ランキングは、世界144カ国中111位と非常に低い。特に経済分野と政治分野における男女格差が、ランキングを落とす大きな要因となっている。衆議院議員に占める女性の割合は1割に満たず、民間企業における課長相当職に占める女性の割合は1割にすぎない。また、労働力参加率は、男性の78%しかない。ゴールドマン・サックスの推計によれば、女性の就業率が男性並みになれば、GDPは13%上昇する。
このような、大きな男女間格差を解消するために、策定されたのが「女性活躍推進法」である。この法律は、労働者が300人以上の民間事業主に対し、女性活躍に関する状況の把握、改善すべき事情についての分析、行動計画の策定、周知、公表を義務付けるものである。また、「働き方改革」においては、同一労働同一賃金など非正規労働者の処遇改善、長時間労働の是正などを目指している。「働き方改革」は、間接的に女性の活躍推進に寄与するものである。
講演後は、多くの学生が積極的に質問し、講師と意見交換を行ったため、予定していた15分の質疑応答時間を超過してしまった。
(政策学部教授 川口 章)
