政策学部講演会特集
政策学会講演会(レポート)
『経済のグローバル化と産業発展:台湾の事例』
テーマ | 『経済のグローバル化と産業発展:台湾の事例』 |
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講師 | 川上 桃子 氏 |
日時 | 2016年11月11日(金)9:00~10:30 |
会場 | 同志社大学新町キャンパス 臨光館(R301) |
去る11月11日、政策学会講演会に講師として日本貿易振興機構アジア経済研究所新領域研究センター技術革新・成長研究グループ長である川上桃子氏をお迎えし、「経済のグローバル化と産業発展:台湾の事例」というタイトルでお話いただいた。川上氏は、長年、台湾の産業・企業発展についての研究に従事してこられたご経歴から、同国のエレクトロニクス産業の発展について詳細なレジュメを用意され、実例を交えながらわかりやすくご講演をいただいた。
台湾は直接投資、及び、受託生産を通じて、とりわけ、エレクトロニクス産業が飛躍的に発展を遂げ、台湾は世界有数の工業国にまで上り詰めた。また、その発展パターンは韓国とは対照的に、先進国の企業と競合するのではなく、補完的な関係を築くことで先進国の技術やノウハウの移転がスムーズに進み、中小企業の成長・集積に繋がったことを強調された。
最後にインテルの企業戦略が如何に、今日の日本のエレクトロニクス産業の後退につながったかという、非常に興味深いお話をされ、講演は終了した。これが、自動車産業といったような、日本の他のリーディング産業にも生じうることなのかどうか、大変興味深い今後の研究テーマの示唆にもつながった。最後まで、参加者が非常に熱心に聞き入り、質問も出たのが印象的であった。
(政策学部教授 岡本 由美子)
