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今日の世界経済が直面する問題

投稿者 根岸 祥子:2016年2月1日

投稿者 根岸 祥子:2016年2月1日
毎年1月下旬になると、「ダボス会議」という名前が新聞の見出しやニュース番組に登場します。ダボス会議は、世界経済フォーラム(World Economic Forum)という非営利団体の年次総会で、毎年スイスのダボスで開催されています。会議には、各国首脳をはじめとする政治指導者、多国籍企業の経営者を含む経済界のトップのほか、ジャーナリスト、知識人、芸術家などが参加して、世界が直面する問題について議論する場となっています。

先月20日〜23日に開催された今年のダボス会議では、以下のような問題が取り上げられました。

中国の景気減速
1月発表のGDP成長率は6.9%で、25年ぶりの低水準。世界第2位の経済大国である中国の景気減速による世界経済の先行き不安が増大。

原油価格の下落
今年1月には1バレル27ドルを下回る2003年9月以来の低水準にまで下落。石油関連会社の倒産、石油輸出国の破綻などの懸念あり。

米国の利上げ
昨年12月に連邦準備制度理事会(FRB)が9年半ぶりに政策金利を0.25%引き上げ。新興国からマネー引き上げ、通貨不安の可能性あり。

これらは、いずれも世界経済にとって深刻な影響をもたらしかねないリスクですが、ダボス会議参加者の間では悲観論一色というわけではなかったようです。その理由としては、前回の金融危機のときと比較して、先進国・新興国ともに危機への備えがよりしっかりしていること、金融システムもより健全になっていることなどが挙げられます。

上述の問題以外にも、欧州の難民問題や、気候変動への新たな取組み、テロの脅威といったさまざまな課題があります。いずれの問題においても、適切な政策対応を行うことで、この世界の持続的繁栄に向けた大きなステップに繋がるのではないでしょうか。