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教員紹介

月村 太郎 教授

つきむら たろう

月村 太郎 教授

研究分野(学部) バルカン地域研究、地域紛争比較研究
研究テーマ(大学院) バルカン地域研究、地域紛争比較研究
研究室 渓水館231号室
メールアドレス ttsukimu@mail.doshisha.ac.jp

プロフィール

生まれは東京都、親の転勤で群馬県桐生市に幼稚園と小1、札幌に高1~2で住んだことがありますが、それ以外は1992年に神戸大学に赴任するまでずっと東京でした。同志社大学には2008年に赴任しました。1984年9月から1986年3月までの1年半はユーゴスラヴィアのザグレブ(現在はクロアチアの首都)、ザグレブ大学クロアチア歴史研究所、1994年9月から1996年9月までの2年間はハンガリーの首都ブダペシュト、ハンガリー科学アカデミー歴史学研究所に留学していました。

当初の研究テーマは19世紀のヨーロッパ5大国のひとつ、ハプスブルク帝国(1867年からはオーストリア=ハンガリー二重君主国に改編されます)における少数民族問題でした。そのために、19世紀にはハプスブルク帝国領であったクロアチアとハンガリーに留学しました。しかし1990年代初めからユーゴスラヴィアで地域紛争が発生したことから、ユーゴスラヴィア内戦に関する学会報告や論文執筆の依頼が来るようになり、研究テーマも少しずつ変わっていきました。現在では、旧ユーゴスラヴィア諸国を中心とするバルカン諸国の政治史・政治動向が研究テーマとなっています。そして内戦というキーワードを軸に、アフリカやアジアの地域紛争についても、比較対照という形で興味関心を持って研究をしています。

人生は当初の通りに行かないことが多いですが、わたしの場合には、それ故に思いがけない出会いや経験がありました。そこが面白いなと、我が身を顧みて感じています。

研究の関心(研究内容を含む)

 「Profile」で既に触れていますが、バルカン諸国の政治史・政治動向と地域紛争の比較対照が主たる研究関心です。現在の研究上の重点は前者に置かれています。論者によって微妙に異なるのですが、バルカン諸国には、アルバニア、北マケドニア、ギリシャ、クロアチア、コソヴォ、セルビア、ブルガリア、ボスニア、モルドヴァ、モンテネグロ、ルーマニアが含まれます。トルコの一部もバルカン地域を構成しています。

 ギリシャを除くバルカン諸国は、冷戦時代には共産党の実質的な独裁政権が続いていましたが、1989年/1991年に冷戦構造が崩壊すると、次々と民主化していきました。その間に、ユーゴスラヴィアは4度の内戦を通じて7カ国に分裂してしまいました。モルドヴァはソ連解体に伴い、バルカン諸国の仲間入りをしました。現在のバルカン諸国のほとんど全ては、EUに加盟したか、加盟を希望しています(ギリシャは1981年に加盟済みです)。NATOについても事情は同じです。

 民主化したといっても、多くのバルカン諸国は民主体制の経験が短く、政治的に非常に脆弱です。しかもお互いに仲が悪いのです。セルビアとボスニア、セルビアとクロアチア、セルビアとコソヴォなど、実際に戦ったのであれば、仕方ないかもしれません。しかしそうでなくとも、北マケドニアとギリシャやブルガリアとの関係は非常に不安定です。日本より人口は遙かに少なく、国力も比べものになりません。そんな小国でおいても政治は行われています。そして国境を超えると、似て非なる政治が展開しています。そうしたバルカン諸国を時にミクロに、時にマクロにみていると研究上の興味が尽きることはありません。

講義・演習・少人数クラスについて

【学部科目】

講義では主にヨーロッパの国際政治の近現代史を取り上げています。世間の注目はアジアかもしれませんが、我々が思い浮かべる国際政治の原型は近代のヨーロッパにあります。原型を学ぶことは現在を正確に知ることに繋がります。演習ではグループ・ワークが中心で、他大学とのゼミ交流の場で研究成果の報告を行います。また、ゼミ生の希望次第ですが、日本における国際政治の焦点である沖縄や、わたしの研究対象であるバルカン諸国へのスタディ・ツァーもやっています。また「外書講読」という科目で国際政治の教科書(英語)をじっくり読んでいます。非常に論理的な言語である英語を読むことで、論理的な思考の癖がつくと思っています。

【大学院科目】

演習では各自の研究テーマに関する報告について、みんなで議論を行うという形式の授業をしています。また、多くの大学院生に国際政治の世界を知って欲しいので、日本語で書かれた国際政治の本を輪読する授業もしています。

受験生へのメッセージ(学部・大学院)

【学部生向け】

京都という街のメリットは、現代の都会の喧噪と日本古来の静寂さが同居している点だと思います。その京都のメリハリが、みなさんを現代の日本や世界の問題に関する思考に誘います。しかしひとつのディシプリンによって与えられるツールだけで思考することができないほど、現代の問題には様々な要因が並行・重層・錯綜しています。「政策」とは何かを政策学部で学ぶとは、そうした要因を理解して問題を分析するツールを得ることなのです。それは、みなさんの人生を豊かに、そして有利に導いてくれるでしょう。「政策」は公共空間で展開されるものだけでなく、身の回りの実に多くの事象が「政策」に関わっているのです。

【大学院生向け】

大学院への入学を希望されるみなさんは、既に何らかの人生上の希望や指針を持っていると思います。そうした希望を実現し、指針を磨くには、総合政策科学研究科の学生になるだけでなく、総合政策科学研究科の資源を有効活用することが求められます。教員や所蔵図書は言うまでもなく、多くの制度がみなさんの利用を待っているのです。