同志社大学 政策学部

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教員紹介


研究者情報データベース JapaneseEnglish
富樫 耕介准教授
とがし こうすけ
富樫 耕介准教授

専門分野紛争研究
研究室渓水館222号室
 個人ホームページ

専門分野について

 私は、これまでロシア・旧ソ連地域をフィールドとして、国際政治学、特に紛争研究の視座から研究して来ました。これまで取り組んできた研究は、3つに分類できます。①国際政治学、特に冷戦終結後の紛争や平和に関わる理論的研究、②旧ソ連地域の紛争の比較研究、③チェチェン紛争の研究です。従って、私は、理論・比較・事例という三つの柱を持ちながら研究してきました。
 ①紛争や平和に関する理論的研究とは、紛争がいかなる条件で発生するのか、これを予防・阻止するために国際社会はどのような関与が可能なのかという点を研究しています。私は紛争の計量研究による理論的知見を参照しつつ、地域研究や歴史研究の知見と組み合わせることで、紛争理解の枠組みを模索しています。特に現在、紛争移行、すなわち「紛争はどのような条件で平和的に移行するのか」に強い関心をもっています。権威主義体制下における平和、Illiberal Peaceなどもこの一例です。
 ②旧ソ連地域の紛争の比較研究では、コーカサス地域の5つの紛争の起源・経緯・結果を比較し、いかなる問題を提起しているのかを考察してきました。その成果として2021年に『コーカサスの紛争』東洋書店新社を出版しました。今後は、東欧や中央アジアの紛争も加え、旧ソ連地域全体で紛争の類型化に取り組みたいと思っています。また旧ソ連以外の紛争との比較にも将来的に取り組みたいと思っています。
 ③チェチェン紛争の研究について、私は、この紛争のダイナミクスやメカニズムを説明する分析枠組みを提供することに取り組んできました。その成果として2015年に『チェチェン 平和定着の挫折と紛争再発の複合的メカニズム』明石書店を刊行しました。今後は、これをより精緻なものとしつつ、欧米の研究者が十分に拾い上げることができていないチェチェンの研究動向や蓄積を反映した研究にも取り組もうと考えています。
 最後に上記の研究から派生する作業として、コーカサスや中央アジアの治安やテロ、特にイスラーム急進主義者の動向についても研究してきました。本テーマに関する情報や分析は少なく、また近年ではアル・カーイダや「イスラーム国」などの「グローバル・ジハード運動」との関係性も指摘されており、隣接する地域の研究者や日本の省庁などにも関心は高まっています。この研究も発展させていきたいと考えています。
以上のすべての研究は、冷戦終結後の国際政治の主要な課題(すなわち国家の枠組みが揺らぎ、民族の独立、あるいは紛争やテロへといった問題に直面していること)を考究するという意味で共通性を持っています。
なお近年、シベリア抑留経験のある祖父からオーラル・ヒストリーを聴取し、「個人史から問い直すシベリア抑留」という研究にも取り組んできました。あいにく研究成果の公表途上で祖父は永眠しましたが、シベリア抑留者が日本に帰還した地、舞鶴のある京都府の大学に着任した縁もあり、シベリア抑留研究も継続できればと思っています。

プロフィール

1984年東京生まれです。幼少期に横浜に引っ越し大学卒業まで住んでいました。大学入学前にNGOの会合に参加し、チェチェン紛争という聞きなれない紛争の規模と惨状に驚き、大学で研究テーマにすることを決めました。大学生になると、チェチェン難民の支援のためにアゼルバイジャンへ2度ほど向かいました。その後、研究者を志ざし、修士課程は東北大学に、博士課程は東京大学に行きました。博士論文は長年関心を持ってきたチェチェン紛争について書きました。
 これまで研究をしながら外務本省で専門分析員、在ウズベキスタン日本大使館で専門調査員として勤務しました。2017年より3年間、東海大学にて勤務し、2020年より本学に着任しました。

メッセージ

自分の可能性や限界を自分で決めずに挑戦してほしい

 まず「政策学部なのだから、国内のことを主に学ぶのだろう」とか、「英語や第二外国語は特に学ぶ必要性がないだろう」という固定観念を捨ててください。こういう固定観念が皆さんの可能性を制限し、成長の限界を決めて、大学における色々な学びを限定します。グローバル化が進む現代においては、これまで以上に世界の相互依存性が高まっており、それが様々な問題を引き起こしています。政策とは現実に存在する問題を改善するための手段であり、その意味で、あらゆる政策を考える際に、国際関係やグローバル化は無視できないものになっています。つまり、国際関係学は、政策学を学ぶ上でも必要不可欠ですし、グローバル化の進む現代においては社会人にも当然の教養として持っていることを前提とされています。語学力も同じです。政策学という学問的基盤があり、語学力も駆使できれば、語学だけを学んだ人とは違う強みが出てきます。ステレオタイプにとらわれず、発想の転換をして下さい。苦手なことを避けたり、新しいことに挑戦しなければ、今のまま特に変化なく大学を卒業していくでしょう。人間は、保守的です。年を重ねれば一層変化を恐れます。守るべきものができるからです。身軽な今から変化を恐れていては、可能性は制限されてしまいます。自分の限界を定めず挑戦してください。