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教員紹介

田中 宏樹 教授

たなか ひろき

田中 宏樹 教授

研究分野(学部) 少子高齢社会の地域経営
研究テーマ(大学院) 自治体の支出政策(教育・産業振興・まちづくり等)
研究室 渓水館225号室
個人ホームページ

研究の関心(研究内容を含む)

 教育や福祉、医療や介護、治安や環境、あるいは道路や公園といったインフラ整備など、日常生活において、私たちは公共サービスから何らかの恩恵を受けています。その対価として、国民が広く負担するのが租税(税金)や公債(借金)です。公共サービスの内容、その財源となる租税や公債の水準については、一般的に政府と呼ばれる組織が決定しており、その活動(公共政策)が有効か否かをチェックすることは、重要な問題といえます。

 私の専門は、政府が行なう様々な公共政策が、所期の目的を達しているか、手段として妥当なのかなどについて分析する「公共経済学」と呼ばれる領域です。

 現在は、所得水準や学歴等に代表される家計の社会経済的地位(Socio-Economic Status:SES)や親の養育姿勢(Parenting)が、教育(塾や予備校などの補習教育)の機会均等や教育達成(学力)に与える影響を、ビックデータを用いて定量分析することに加え、教育や福祉をはじめとする公共サービスへの競争原理の導入と自治体間の競争(租税競争・支出競争・ヤードスティック競争)の功罪について、理論・実証両面から研究しています。

プロフィール

関西人と関東人のハイブリッド
1967年、京都府生まれです。同志社大学経済学部卒業後、(株)PHP総合研究所に入社、同社に13年在籍し、主任研究員として政府の政策の検証および政策代替案の立案に携わってきました。1996年より4年間、大阪大学大学院国際公共政策研究科で学び、2000年3月同大学院にて博士号を取得しました。東京生活が長く、ふるさと京都へは2004年に政策学部に教員として着任したことで、14年ぶりに戻ることとなりました。
趣味は、旅行(特に海外)とスノーボードです。どちらも大学時代からはじめ、以来はまっています。ボードを持って、海外のゲレンデで滑ることもけっこうありました。中学、高校時代は陸上部に在籍、100m、200mの短距離が専門でしたが、まあまあ早かったので、運動会のリレーではアンカーが多かったです。カラオケも好きで、職場の同僚とよくいきました。また、英国への在外研究期間中に、音楽に触れる機会が多かったせいか、新しくクラシック鑑賞も趣味に加わりました。詳しくは、Web Site http://www.cam.hi-ho.ne.jp/thiroki/を参照してください。

講義・演習・少人数クラスについて

【学部科目】

 講義科目(「政策分析」)、演習(財政政策)ともに、格差問題、教育、子育て、地方再生、などの具体的な政策課題を取り上げ、解決策について探究することがテーマです。演習では、関西私立大学間の対抗ゼミや自治体の政策提言コンテストに出場し、社会実装を意識した先進的な政策プランを構想・発信しています。

【大学院科目】

 講義科目(「公共財政管理論研究」)、研究演習(「公共支出政策論」)ともに、回帰分析に代表される定量的手法を用いて、人口減少下における国および自治体の公共支出政策(教育・産業振興・まちづくり・医療・介護・環境等)の効果を評価・検証することを目標としています。

受験生へのメッセージ(学部・大学院)

【学部生向け】

「政策」を学ぼうと志す受験生には、「政策とは何か」ということを自問自答する姿勢を持ってもらいたいと思います。ある地域に高速道路を作る計画が持ち上がりました。果たしてそれを実行すべきでしょうか?費用(コスト)が便益(ベネフィット)を上回れば建設すべきで、下回れば建設すべきでないというのが、経済を学ぶ学生の回答でしょう。民主主義的なプロセスを通じて、賛成が反対を上回れば建設し、下回れば見送るというのが、法学を学ぶ学生の回答なのかもしれません。では、政策を学ぶ学生の回答とは・・。 政策の望ましさについて考えることとともに、その政策を実現する手段や方法についても考慮した上で、政策の良し悪しを総合的に判断できるようになれば、政策を学ぶことがきっとおもしろくなると思います。

【大学院生向け】

授業では、回帰分析に代表される定量的手法を用いて、人口減少下における国および自治体の公共支出政策(教育・産業振興・まちづくり・医療・介護・環境等)の効果を評価・検証することを目標としています。質の高い研究には、知識の吸収は欠かせませんが、吸収した知識を構築(活用)することを意識的に行わないと、自走で研究する力は身に付きません。研究成果が社会に発するメッセージを自問自答しつつ、学習状況を自ら把握し、研究の方向性や方法論について試行錯誤する姿勢、自発的・継続的な問題意識の研鑽と研究内容を深堀する地道な探究を期待します。