このページの本文へ移動
ページの先頭です
以下、ナビゲーションになります
以下、本文になります

教員紹介

多田 実 教授

ただ みのる

多田 実 教授

研究分野(学部) 感情科学に基づくマーケティングリサーチ
研究テーマ(大学院) ソーシャル・マーケティングの理論と実践
研究室 渓水館217号室
メールアドレス mtada@mail.doshisha.ac.jp

研究の関心(研究内容を含む)

【学部生向け】

 従来型の4マス(4種類のマスメディア)と呼ばれるテレビ・ラジオ・新聞・雑誌に加えて、若者マーケティングを考えるうえで不可欠なInstagram、X(Twitter)、YouTube、TikTokなどのSNSも含めた効果的なメディア活用に関する研究に関心があり、机上の空論にならないよう、実験的なアカウントを立ち上げて検証することもあります。また、前任校のときに関わった大学コンソーシアム京都でのインターンシッププログラムは総合コーディネーターとして今も継続中で、さらに同財団に対して学部から授業科目を提供している京都世界遺産PBL科目のフィールドである二条城は、教育の場であり、かつ文化遺産マーケティングを考える研究の対象にもなっています。他大学教員との共同研究では、価値主導型や感情科学の概念を地域マーケティングとして活用し、関係人口の創出による地域活性化などについて、定性調査と定量調査を組み合わせるハイブリッド調査を実施してその本質を明らかにする研究に取り組んでいます。

【大学院生向け】

 脳波や心拍数を測定する装置を用いて感情科学の観点からアプローチする研究に関心があります。一昔前、このような装置は非常に高価でしたが、近年、腕時計のように身体に装着する安価なウェアラブル装置として使えるものが登場しており、感情科学に必要なデータが比較的容易に入手できるようになりました。これによって人が感動する地点などを特定することができ「感情地図(emotion map)」として可視化もできます。人間が感動するメカニズムが解明できれば、それをマーケティングの大家コトラー教授が提唱する価値主導型マーケティングにおける「価値」として応用することが考えられるので、現在のマーケティングでは、このような心理学的な側面からの学際的アプローチがとても重要だと言えるでしょう。

プロフィール

大阪生まれ大阪育ち生粋の関西人。ファーストキャリアとして勤めることになった大学へ通うため、京都市内に引っ越し、その後、宇治市を経て、現在奈良市民。高2の冬休みにバイトして購入した国産のエレキギターで70年代ハードロックは今もなお自分の音楽の軸になっていますが(初任給でFender USAのギターを購入しました)、近頃は幅広くジャズ・フュージョン・ファンク、R&B、邦ロックやJ-POP、K-POP、アイドルなども弾くようになり、ピアノ、バイオリン、三味線も少しかじっている音楽何でも大好き人間です。文科省が選定する2008年度「教育GP」に政策学部が採択されたことが契機となり、地域におけるメディア活用として京都府北部エリアのPV制作などに携わることになったのですが、長野県飯田市から来られていたゲスト講師との運命的な出会いによって、音楽イベントを南信州エリアの市町村と協働開催することが実現し、現在もゼミ生といっしょにバンドを組んで演奏者としても参戦しています。コロナ禍によってこの「夏の風物詩」は2年間中断しましたが、2022年夏に復活しました。このような「音楽で地域を熱くする」取組みは、今後もずっと継続していきたいです。

講義・演習・少人数クラスについて

【学部科目】

 EBPM(証拠に基づく政策立案)に役立つデータサイエンス関連の講義を担当していますが、できる限り数式を用いずその本質的な考え方が解るよう、身近な例で具体的に解説します。演習などの少人数クラスでは、グループワークを基本とし、様々なメディアを活用して地域活性化に寄与する提案を行うべくフィールドワークを実施します。学部のゼミではソーシャルマーケティングを念頭に置いた社会貢献に直結するフィールドワークを行っていますので、いわゆる就活時の「ガクチカ」に十分なっていると自信をもって言えます。

【大学院科目】

 ソーシャルマーケティングのケーススタディを扱う講義では受講生各自が関心のあるエリアでの活用法を議論します。社会科学系の問題を数理的に考えるとき役立つコンピュータ実習では理系的な手法も扱うことにより(ブラックボックスにはしない形での)文理融合的な学際的問題解決アプローチの幅が広がります。

受験生へのメッセージ(学部・大学院)

【学部生向け】

政策学部のカリキュラムでは複数の専門領域を学際的に履修することができるのですが、そのことを「広く浅く」しか学べないネガティブなものとしてとらえられることがあります。たしかに、特定の学問領域で将来研究者を目指すような人ならば良くないと言えそうですが、そのデメリットよりも社会における様々な問題を自ら発見して解決する能力の獲得、すなわち、複数の専門分野から本当に使える概念や理論などを適材適所的に選んで活用する能力が養われるメリットの方が大きいでしょう。そのため、政策学部では、問題発見解決に必要な科目を的確にセレクトして開講しているので、いわばセンスの良い「セレクトショップ」のイメージとしてとらえることができるのです。

【大学院生向け】

受講生が幅広い年齢層で構成されている総合政策科学研究科では、学びの部分以外にも多くの出会いや気づきがあり、多方面のスペシャリストどうしが自然に交流できる空気感が、他の研究科には存在しない、大きな魅力の1つだと自負しています。指導する側の教員も、受講生の皆さんから多くの気づきや刺激が得られるので、毎回の講義や演習のクラスがとても楽しみです。