教員紹介

はっとり あつこ
服部 篤子 教授
服部 篤子 教授
専門分野 | 社会起業家精神 |
---|---|
研究室 | 志高館259号室 |
主な担当科目
政策トピックス、アカデミックスキル
担当科目講義内容
政策トピックス
「多世代コミュニティの形成:動物園をフィールドに」
本授業は,京都市動物園を研究活動のフィールドとします。本動物園は、日本で初めて「市民の手」によって設立され,全国で 2 番目に歴史のあるところです。アフリカの草原,もうじゅ うワールド,ゴリラのおうちなどユニークな名称でゾーン分けがされています。そして、動物園を野生の世界につながる「窓口」だと位置付けています。来場者の中心は、未就学児を中心としたファミリー客です。生き物を通じた命の学習と他者を大切にするケアする心が育まれる時期でもあるでしょう。他方で、その後大人になるまで動物園から遠ざかることが1つの課題としてみえています。
大学生が動物園の歴史文化,地理的背景をも考慮し発信することで,環境,社会,経済の視点から動物園の魅力を一層高める企画を行います。具体的には,現地でヒアリング調査を実施するほか,アフリカのサバンナで撮影を続ける動物カメラマンの話、動物園内での研究成果などを聞きます。そこで得た学びを地域に還元するために,子ども向け教材開発を考え環境教育イベントを実施します。大学生が子ども達と飼育員との間をつなぐ役割を担い,世代を超えた関係作りが社会に有益であることを学習します。
このような多世代がつながるコミュニティは、「多世代共創社会」を築く基盤だと考えています。多世代共創社会とは、「今を生きる私たち(子どもから高齢者まで)が、将来の制約と豊かさを考えながら、過去から学び、現在の知識やテクノロジーなどを加えることで新しい価値を生み出し、次の世代がより良い生き方・豊かさを実現できるための資源をつなぐことができる社会。」を指します。(RISTEX持続可能な多世代共創デザイン領域にて)
多世代が社会を築いていくためには、様々なアプローチで社会の問題を特定化し、解決策を見出していく必要があります。政策トピックスでは、多世代が集う動物園を「公共経営」の場ととらえ、研究成果と実践から環境問題について共に考え行動すること、その機会を創出することを目的としています。調査研究とコミュニケーションを通じて自らの潜在力に気付き、表現力を豊かなものとし、リーダーシップを発揮することを目指します。
そのためには、様々なアプローチで社会の問題を特定し、解決策を見出していく必要があります。政策トピックスでは、多様な社会問題の背景にある環境をとらえなおします。そのうえで、解決につながる考え方、世代を超えた知恵のつなぎ方、各世代の役割分担を考えます。
公共経営学とは、官と民双方が公共の便益を高めるための経営をする主体であるという共通認識のもと、さまざまな資源を有効活用しサービスを提供する方法や考え方を学ぶものです。政策トピックスでは、行政、民間企業、市民団体をはじめとした非営利組織が協働で行う社会問題解決事例に着目します。組織内外にどのような変化が生じたか、どのような新たな価値が共創されたのか、どのようなリーダーシップで推進されたのか、実際のフィールドをみることも重要視します。このような「公共経営」の研究を理論と実践の両輪から進めています。
アカデミックスキル(分析)
1回生を対象としたアカデミックスキルを高める授業では、社会問題解決に取り組む社会起業家の活動に着目し,起業家へのヒアリング調査を実施します。ヒアリング調査にあたっては,政府系金融機関である日本政策金融公庫西陣支店との協働で実施します。地元金融機関と、西陣ならではの「伝統と革新」をテーマに人選を行い依頼します。既存資料や統計の収集,SWOT 分析を行って調査の問いをたてるなど,社会問題の置かれた背景や文化をふまえたうえで定性調査を行う姿勢を身に付けていきます。小グループでディスカッションを繰り返し、調査のプロセスを通じて学びあうこと、また、分析力を高めることを目的としています。学部時代に多様な人々と出会うことで、起業がキャリアの選択肢の1つであるという気付きがあるかもしれません。