同志社大学 政策学部

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教員紹介

大和田 順子 教授
おおわだ じゅんこ
大和田 順子教授

専門分野ソーシャルイノベーションと地域デザイン
研究室志高館253号室

専門分野について

 私は事業会社、研究機関、NPOなどで、アメリカやイギリス、国内の社会企業家や非営利組織の方たちと社会課題の解決に取り組んできましたが、最近の10年は特に農山村の農林漁業関係者や自治体の方たちと接してきました。国土の9割を占める農山村を人口の2割の人たちが支えています。日本の農山漁村では現在も伝統的で多様な農林水産業が営まれ、都市の私たちの食料生産はもとより、美しい農村景観、里山・里海の豊かな自然、農林水産業に関連する文化が伝えられています。
こうした伝統的な農林水産業の価値を評価し、保全・継承を促す国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産(以下、GIAHS(ジアス))制度が、日本では2011年に開始され、現在国内11か所が認定されています。その後、2016年度に「日本農業遺産」制度も創設されました。日本のGIAHSの特徴は、里地・里山を重視していることや、多様な主体の連携による保全活動などにあります。また、地域認証制度やグリーンツーリズムなどによる地域活性化、次世代の学習や住民の誇りの醸成など成果をあげてきました。近畿では、滋賀県琵琶湖地域「森・里・湖(うみ)に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」(日本農業遺産、2018年認定)、兵庫県兵庫美方地域「兵庫美方地域の但馬牛システム」(日本農業遺産、2018年)、和歌山県みなべ・田辺地域 「みなべ・田辺の梅システム」(世界農業遺産、2015年)、和歌山県海南市下津地域「下津蔵出しみかんシステム」(日本農業遺産、2018年)があります。
一方、2015年に国連のSDGs(持続可能な開発目標)が採択され、国内でも取り組みが広がっていますが、農山漁村では未だ緒についたばかりです。私の研究は、このSDGsの概念とGIAHSや農村振興を関連づけ、「SDGs活用ステップ」、「地方創生人材育成モデル」、「都市農村協働力と農山村の持続可能性モデル」の構築を行っています。これらの手法やモデルは農業遺産ではない地域にも適用できるものです。私たち都市に住むものが農山村の人たちといかに支え合えるのか、そしてローカルでの持続可能な地域づくりの実践がSDGsの達成にいかに貢献できるのか、これからも研究と実践を続けていきたいと考えています。日本の農山漁村はイノベーションの源泉です。ご一緒に日本の農山村の可能性を探求してみませんか。

プロフィール

 東京生まれ・育ち。大学卒業後は企業やNPO、一般社団法人などで社会問題解決の実践と研究を両輪に、持続可能な社会の実現を探求してきました。電鉄系の百貨店に入社した後、シンクタンクに研究員として出向しました。1989年にアメリカで発行されたお買い物ガイドブック『Shopping for a Better World』に大きな影響を受けました。加工食品や日用品について、その製造企業の寄付、女性や社会的少数者の登用、軍需産業への関与、動物実験、地域社会への貢献、環境問題への対応などの観点から評価したものです。アメリカに調査に行った際に、このガイドブックをスーパーマーケットの店頭で購入した時の感動は今でも忘れられません。それを参考に、『百貨店人のためのエコロジーハンドブック』を、消費生活アドバイザーの有志で制作し、従業員の環境教育テキストとして活用されました。シンクタンクでは「企業市民」についても研究。イギリスに本社がある社会的企業に転職し、3R、コミュニティトレード、化粧品の動物実験反対、女性の人権などをテーマとした「社会変革キャンペーン」を推進しました。続いて環境コンサルティング会社時代に、アメリカで1990年代後半に誕生した持続可能なライフスタイル「ロハス(LOHAS: Lifestyles of Health and Sustainability)」と出会い、日本に紹介、『日本をロハスに変える30の方法』『ロハスビジネス』などを著すとともに団体を設立し普及に務めました。その後、国内の有機農業やローカル経済に関して各地を調査・取材し、農林業や農山村の地域資源を活かし、人と人・人と地域・人と自然のつながりを取り戻す地域づくりをテーマとした『アグリ・コミュニティビジネス』を2011年2月に出版しました。翌月、東日本大震災が起き、以来、宮城や福島の方たちと復興・持続可能な未来づくりを進めるプロジェクトをデザイン、実践してきました。2014年に「世界農業遺産」(FAO:国連食糧農業機関)と出会い、6年間国内の専門家会議委員を務める過程で日本の農山漁村や農林漁業の素晴らしさを深く知ることができました。2014年、宮城大学大学院事業構想学研究科博士後期課程に入学し、国内の「世界農業遺産」認定地域を対象に研究し、学位論文「SDGs時代における世界農業遺産の役割に関する研究」としてまとめ、学位を取得しました。
人生100年時代、セカンドステージのスタートを、京都、同志社大学で皆さまと一緒に学び・探求できることに感謝と喜びを感じています。 
学位:博士(事業構想学)
資格:消費生活アドバイザー(経済産業省)、環境カウンセラー(環境省) 
趣味:三味線(端唄・俗曲)豊藤和

メッセージ

You can make a difference

 「世の中を変えるのは、私たち一人ひとり」。この言葉はイギリスの自然化粧品ブランドTHE BODY SHOPを創業したアニータ・ロディックの言葉です。ボディショップは収益と社会変革を両輪に、コミュニティトレード、化粧品製造における動物実験の反対、人権擁護、環境問題対応などに取り組み、世界約50か国、2,000店を運営する社会的企業です。私は日本のTHE BODY SHOPで7年間、「社会変革キャンペーン」やコミュニケーション活動の責任者を務め、世界の仲間たちやお客様と共にキャンペーンを行いました。それから四半世紀が経ちましたが、日本でも大手化粧品メーカーが化粧品・医薬部外品における動物実験の廃止を決定し、また、フェアトレードなど世界各地のコミュニティとの公正な取引についても普及してきたと思います。
 そして、SDGsが世界共通の目標と掲げられて5年が経ちました。大学生時代には様々な社会問題に触れ、探求し、心動かされた課題については、ぜひ実践活動に参加するなど行動してください。私たち市民一人ひとりの行動が、世の中を変えていくからです。