このページの本文へ移動
ページの先頭です
以下、ナビゲーションになります
以下、本文になります

教員紹介

大和田 順子 教授

おおわだ じゅんこ

大和田 順子教授

研究分野(学部) ローカルSDGs、ソーシャル・イノベーション
研究テーマ(大学院) ソーシャル・イノベーションと地域デザイン
研究室 新創館203号室

研究の関心(研究内容を含む)

 私は事業会社、研究機関、NPOなどで、様々な方たちと社会課題の解決に取り組んできました。近年は農山漁村地域の人や自治体の方たちと地域活性化に取り組んでいます。農山漁村では現在も伝統的で多様な農林水産業が営まれ、都市の私たちの食料を支え、美しい農村景観、里山・里海の豊かな自然や恵み、食文化や農耕儀礼が継承されています。

 こうした伝統的な農林水産業の価値を評価し、保全・継承を促す国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産(以下、GIAHS(ジアス))制度が、日本では2011年に導入され、現在13か所が認定されています。日本のGIAHSの特徴は、里山・里地・里海における多様な主体の連携による保全・活用です。また、地域認証制度やグリーンツーリズムなどによる地域活性化、次世代の学習や住民の誇りの醸成などの成果をあげてきました。近畿の世界農業遺産には、和歌山県「みなべ・田辺の梅システム」(2015年認定)、滋賀県「森・里・湖(うみ)に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」(2022年認定)があります。

 一方、2015年に国連のSDGsが採択され、国内でも自治体では「SDGs未来都市」の取り組みが広がっています。私の研究は、特に生物多様性やネイチャー・ポジティブに注目し、SDGsとGIAHSや農村振興を関連づけモデル化するとともに各地で実装しています。昨年度は、同志社大学SDGs研究プロジェクトにて「竹林SDGsを通じたグリーン・コモンズの創造」に取り組みました。ローカルSDGsの実践を通じ、持続可能な社会創造にいかに貢献できるのか、これからも研究と実践を続けてまいります。日本の農山漁村はイノベーションの源泉です。

プロフィール

東京生まれ・育ち、2021年4月から京都市在住
1982年学習院大学文学部哲学科卒業。東急百貨店、東急総合研究所、イオンフォレスト(ザ・ボディショップ)、環境コンサルティング会社でマーケティングの実務等を経て独立。2002年にアメリカ発祥の健康と環境を大切にするライフスタイルLOHAS(ロハス)を日本に紹介。2006年、一般社団法人ロハス・ビジネス・アライアンスを設立し、ロハスの普及に努める。2009年~全国各地で世界農業遺産、有機農業や生物多様性、自然エネルギーを活かした“持続可能な地域づくり”に参画。宮城県大崎市での取り組みで2022年1月、総務省「ふるさとづくり大賞」個人表彰総務大臣表彰を受賞
2020年9月、宮城大学大学院事業構想学研究科博士後期課程修了、博士(事業構想学)
総務省・地域力創造アドバイザー(2017年~)、一般財団法人日本水土総合研究所理事(2020年4月~)、日本ソーシャル・イノベーション学会理事(2021年4月~)、農村計画学会評議員(2022年4月~)
主な著書:『アグリ・コミュニティビジネス』(2011年、学芸出版社)、『新コモンズ論 : 幸せなコミュニティをつくる八つの実践』(共著、2016年、中央大学出版部)、『SDGsを活かす地域づくり』(共著、2022年、晃洋書房)、『ソーシャル・イノベーションの理論と実践』(共著、2022年、明石書店)など

講義・演習・少人数クラスについて

 学部授業では「NGO・NPO論」や政策トピックス等を担当していますが、「SDGs時代のサステナブルな地域づくり」では京都・滋賀・福井などの里山・里海(湖)、SDGs普及イベント、竹林などでのフィールドワークを行い、地域や社会の課題解決策を考えます。また、「ソーシャル・イノベーションの理論と実践」では、総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーションコースの修了生や元教員らが講師を務め、多文化共生、地域振興、市民社会、ユニバーサルデザイン、自分探究、砂場など様々なテーマで理論と実践を学ぶことができます。

 大学院授業では23年度から「サステナブルな地域づくりの理論と実践」を開講します。自然資本・社会関係資本そして地域循環経済が統合されたサステナブルな社会デザイン、ローカルSDGsの実践事例や先行研究を取り上げます。また、関係人口創出、プロジェクトデザインやプロジェクトマネジメントの手法について併せて学びます。

受験生へのメッセージ(学部・大学院)

 同志社大学総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーションコースは2006年の創立以来、15年以上にわたり理論や技法、実践を積み重ね、NPOリーダー、地方議員、研究者、社会起業家などの人材を輩出してきました。その成果をふまえ、2022年3月に『ソーシャル・イノベーションの理論と実践』(今里滋編、明石出版)を出版しました。政策学部でも昨年度より「ソーシャル・イノベーションの理論と実践」という授業を開始しました。多文化共生、関係人口、地域振興、市民社会、ユニバーサルデザイン、自分探究、都市養蜂、砂場など様々なテーマに取り組む著者らが講義を通じ成果を共有しています。

 「ソーシャル・イノベーションとは、すべての人々にとって暮らしやすい社会を作り上げるために、これまでのアプローチでは解決できなかった問題に対して、新たな方法で革新的に課題を解決するとともに、その変革を社会全体に広げることを意味する。」(新川、2021)ものです。SDGsの目標達成に向けてローカルSDGsの実践や、国内外の農山漁村の課題解決についても調査・研究しています。共に現場を歩き、見て、聞いて、五感で感じ、調べ、対話し、それぞれの「問い」を深めていきましょう。実践と研究の両輪で成果を生み出し、またその技法や知見を共有し、共に社会を変えていきませんか。