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教員紹介

川井 圭司 教授

かわい けいじ

川井 圭司 教授

研究分野(学部) スポーツの法と政策
研究テーマ(大学院) スポーツの法と政策についての国際比較研究
研究室 渓水館233号室

研究の関心(研究内容を含む)

 スポーツに関わる社会問題を広く対象とし、特に法学と政策の観点から研究を進めています。

 このような問題が認識され、学問対象として検証され始めたのは30数年前のことで、まだ発展途上の学問分野です。しかし、この20年間で、社会科学の視点からスポーツを検証し、より望ましい形を模索することは、ますます重要になっています。 2004年にはプロ野球において労使紛争が勃発し、選手会によるストライキが70年というプロ野球の歴史において初めて行使されました。こうした動向は選手側と球団側のまさに法的な権利義務をめぐる争いが顕在化したものといえます。また、2003年に「日本スポーツ仲裁機構」が日本に設立されました。最近では、ロシアのフィギアスケーター、ワリエワ選手のドーピング疑惑をめぐる問題を扱ったスポーツ仲裁裁判所(Court of Sports for Athlete = CAS)がマスコミで一躍注目を浴びました。こうしたスポーツをめぐる紛争を解決する機関として日本国内にも仲裁機関が設置されているのです。そして、2011年には、スポーツ基本法が制定されました。この法律は、スポーツに関する基本理念を定め、国および地方公共団体の責務、そしてスポーツ団体の努力義務等を明らかにしています。スポーツ振興が国の責務であるとしたこのスポーツ基本法の成立、そしてTOKYO2020をめぐる様々な問題を受けて、今後、より透明で公正なスポーツ政策の展開が要請されると同時に、日本スポーツの在り方について、一層の議論が求められているのです。

 このようにスポーツ法学は、スポーツにかかわる法的問題について広く対象としています。私の目前にも、研究すべき課題が山積しているのですが、目下、プロスポーツの労使関係、学校スポーツ、競技団体の意思決定、スポーツ事故補償のあり方などについて国際比較の観点から研究を進めています。

プロフィール

1969年京都の宇治生まれ。その後も、同志社大学法学部を卒業し、法学研究科を修了するまで京都で過ごしました。大阪府の私立大学に6年間勤務した後、2004年の政策学部創設にあわせて母校で教鞭を執る幸運に恵まれました。

学生時代はラグビーに明け暮れ、学業面はかなりの低空飛行でしたが、指導教授の薦めでスポーツ法学と出会い、その重要性と意義を強く認識し、同時に研究の楽しみを見出しました。その後、アメリカ留学の経験などを経て、スポーツ法の国際比較プロジェクトに従事し、現在、国際比較の観点からスポーツ法や政策課題を研究対象にしています。

主な著書に『プロスポーツ選手の法的地位』(成文堂)、Glenn M. Wongとの共著で『スポーツビジネスの法と文化 -アメリカと日本-』(成文堂)。

講義・演習・少人数クラスについて

 スポーツ法政策(講義)では、受講生との対話やディスカッションを通じて学びを深めていきます。社会的に議論となったスポーツの問題(体罰・部活の地域移行・ドーピング・ジェンダー・人種問題・KYOTO2020をめぐるスキャンダル等)や今後重要となる問題を取り上げて、そのバックグラウンド等を説明した上で、受講者の意見や考え方等を共有します。自由でオープンなディスカッションの中で、様々な考え方や、ヒントを得ることを目的にしています。そのうえで、スポーツ法やスポーツ政策での議論や国際的な動向等を紹介していきます。

 少人数クラスのゼミでは、学生が自らの問題意識に基づいてリサーチした内容についてプレゼンテーションを行い、参加メンバーからの質問や指摘、意見等を受けて、さらに考察を深めます。授業担当者である私は、ファシリテーターの役割を心がけます。様々なバックグラウンドや経験を持つ学生らとの自主的で活発なディスカッションによって、自分とは異なる考え方を知り、自らの思考を深め、視野を広げていただきたいと思います。

受験生へのメッセージ(学部・大学院)

本学では自由主義に基づいた教育が展開されます。多種多様な教員から様々な考え方や視点を得ることで、また、様々なバックグランドと経験を持つ学生や院生から刺激を受けることで、これまでの自分の常識や固定観念を改めて見直すきっかけにしていただきたいと思います。自らが進んで学び、他者と学びを深め合う、さらにそこで得た学びを社会課題の解決に活かしていく。こうした姿勢と志を持つ方に、ぜひ政策学部、そして総合政策科学研究科を目指していただきたいと願っています。そんな皆さんと議論を交わし、共に学べる日を心待ちにしています。