政策提案能力を養う理論と実践との交流教育

~同志社大学政策学部PBL教育と京都府地域力再生活動との連携~

近年、少子高齢化や過疎化等の進行とともに多様な地域課題が深刻化し、その対応の基盤として地 域が自ら課題解決できる能力(地域力)を高めることが求められている。この地域力再生のためには 、地域課題を発見し、解決するための政策提案能力を養う必要がある。同志社大学政策学部では地域 課題を発見し、課題解決に向けて政策提案できる基礎的能力の養成を主要な目的のひとつとしており 、演習等でプロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)の手法を導入して、授業で学んだ理論等を 実践の場で検証することで、さらに学生の能力向上を期待することができる。このことは、政策学部 の「教育研究の目的」と適合し、「人材養成の指針」に沿ったより質の高い人材の輩出を可能にする 。

実践の場での検証は、京都府と連携して実施する。京都府では、府政の最重点課題として地域力の再 生・強化を目的とする地域力再生プロジェクト(http://www.pref.kyoto.jp/chiikiryoku/index.html) を昨年度から展開し、各団体の活動支援、地縁団体やNPO等の地域団体相互の連携の促進、地域力再生を担う公共人材の育成、地域団体自身の評 価能力の向上等を目指しているところである。さらに、京都府庁舎内にはNPO活動促進のため京都府 庁NPOパートナーシップセンターが設置されている。京都府の活動と連携することで、より実践的な 場で学生の政策提案能力を磨くことができる。そこで、NPOパートナーシップセンター、さらには地域 力再生プロジェクトの担当課である京都府の自治振興課等と連携することで、学生と地域団体との交 流促進を図ることが可能となるのである。学生は個々のNPOや自治会等、地域力の再生に取り組む地 域団体の活動内容を分析し、その結果についてインターネットTVや地域力再生についてのコミュニテ ィサイトを利用して情報発信し、地域団体についての理解を一般に広めるとともに、ひいては、この ことを通じて地域団体相互の連携や新しい協働を促進させることが可能となる。また、地域力再生の ためには、地域団体相互や住民と地域団体との関係においても信頼関係の構築が不可欠であり、その ために学生と地域団体が一緒になって、地域団体の評価手法の開発も行う。

このようにして、住民や地域団体を基盤とした自治の秩序の形成をめざすことは、一方では自治体議 会も含めて、これからのローカル・ガバナンスを構築していくこととなる。そのために、先に触れた 学生の学習内容を題材に、住民、地域団体、京都府および市町村の議員と公務員、そして学生が、こ れからの地方自治のあり方を議論するとともに、一定の範囲でコンセンサスを得ることができるよう な、コンセンサス会議を京都府内各地で開催をしていくこととする。(概要図参照)

このような活動を通じて学生は、理論を実践の場で検証するとともに、自らの活動について評価を行 う(自己評価)。また、地域課題を発見した時には解決に向けて政策提案を行い、コンセンサス会議 で議論し、「地域力再生を進めるための地域団体、議会、行政等、各主体の協働のあり方」をテーマ とするレポートを作成し、市町村や京都府の公務員や議員から評価を受け(外部評価)、さらには演 習やプロジェクト演習で教員の指導(総合評価)によって、政策提案能力を養うことが可能となるの である。なお、これらの活動には、京都府内の学生を広く公募し、同志社大学政策学部以外の学生に も、活動の機会を提供していく予定である。

ところで、政策学部のカリキュラムでは、学生は「国際貢献を考える」、「地域連携を考える」、「 スポーツと文化創造を考える」、「京都創生を考える」といった政策レファレンスに応じて講義科目 を履修することができる。したがって、政策レファレンスは、本取組の基盤としての素養を養う役割を 果たすことになる。

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