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政策学会講演会(レポート)
『これからの地域再生-地域の自律的・持続的発展の方策とは-』

テーマ『これからの地域再生-地域の自律的・持続的発展の方策とは-』
講師川崎 一泰 氏
日時2018年7月2日(月)14:55~16:25
会場 新町キャンパス臨光館(Z30)

去る7月2日、政策学会講演会に東洋大学経済学部教授の川崎一泰氏をお迎えし、「これからの地域再生-地域の自律的・持続的発展の方策とは-」というテーマでお話をいただいた。川崎氏は2000年3月、法政大学大学院社会科学研究科博士課程を満了後、東海大学政治経済学部専任講師、准教授、教授を経て、2013年4月より東洋大学経済学部教授に就任されている。

講演では、まず、日本の地域間経済格差の現状について、諸外国との対比をもとに検証され、国際的にみれば格差は大きいとはいえないことを指摘、都市と地方の経済格差を縮めることを名目に行われてきた日本の従来の地方振興策に、地域の自律的発展を促す視点が欠落しているとの見解を示された。その理由として、川崎氏は、地方交付税交付金、PFIやPPP、国庫支出金等に代表される国からの各種の補助金政策が、地方が実現したい政策を支援するためにではなく、補助金支出を前提に政策の中身が後付けされる現象を引き起こしている可能性を、具体的事例をもとに丁寧に解説された。

講演後半では、地域の自律的発展にとって、地の利を活かすこと重要性を強調しつつ、急峻で狭い中山間地域の棚田が観光資源化している事例、山しかない土地で日本料理向けの葉っぱビジネスに活路を見い出している事例、豪雪地帯を逆手にとって雪まつりとしてイベント化した事例などを紹介、条件不利地域が活況を呈する可能性があるとの見解を披露された。その上で、地域再生に成功している自治体では、再生のための資金を国からの補助金に依存せず、自ら捻出することで地域再生への取り組みに対するインセンティブを高めていることを指摘、補助金に頼らずに、身銭を切らなければ、民間の「稼ごう」とする動機は生まれず、少額投資でもいいから身の丈にあったリノベーションを行うことが重要であることを力説され、講演を締めくくられた。地域の自主的な取り組みが地域再生の要であるとの川崎氏の明確なメッセージが聴講した学生達に伝わり、熱のこもった素晴らしい講演であった。

(政策学部教授 田中 宏樹)

政策学会講演会

田中 宏樹