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政策学会講演会(レポート)
『LGBTツーリズムの動向-オーストラリア・シドニーの事例を中心に』

テーマ『LGBTツーリズムの動向-オーストラリア・シドニーの事例を中心に』
講師吉田 道代 氏
日時2016年11月22日(火)9:00〜10:30
会場同志社大学新町キャンパス 尋真館(Z20)

11月22日、和歌山大学観光学部教授の吉田道代氏を講師としてお迎えし、政策学会講演会を開催した。演題は「LGBTツーリズムの動向−オーストラリア・シドニーの事例を中心に」である。吉田氏は、オーストラリアのフリンダース大学にて学位を取得されて以来、オーストラリアの難民受け入れ政策や都市観光について研究をされている。

以下、講演の内容を要約する。LGBTとはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字で、性的少数者を意味する。世界には、ダーリングハースト(シドニー)、グリニッジビレッジ(ニューヨーク)、新宿二丁目(東京)など、同性愛者が多く集う街が存在している。これらの街は、同性愛者が彼らに対する差別・偏見が少ない居心地のいい空間を求めて集まることにより、自然発生的に形成されたものである。

LGBTは人口のおよそ5%と推定されており、観光業界にとって重要なマーケットである。彼らを主要な顧客とする旅行会社や、彼らを観光客として受け入れるための環境整備を進める国、自治体、企業も増えている。また、LGBT向け「おすすめ」旅行先ランキングを発表している組織もいくつか存在している。

オーストラリア・シドニーでは、ゲイ・アンド・レズビアン・マディグラと呼ばれるイベントが、1978年以来、毎年開催されている。そこでは、LGBTによるアートの展示、コンサート、スポーツ大会、パーティ、パレードなどが3週間にわたって行われ、30万人の観光客を集めている。首相が挨拶に訪れることからもわかるように、今や国民的なイベントとなっている。

講演は、LGBTについて、人権の面からだけでなく、観光政策や都市政策など新しい視点から考える貴重な機会だった。ジェンダーに関心のある学生はもちろんのこと、観光政策・文化政策・都市政策などに関心のある学生にとっても興味深い内容であり、熱心に聞き入る学生の姿が印象的だった。

(政策学部教授 川口 章)

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岡本 由美子