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政策最新キーワード

学生スポーツとアマチュアリズム(2)

川井 圭司 投稿者 川井 圭司 : 2014年10月29日

対岸の火事!?

 さて、振り返って日本では、この動向は対岸の火事として、高を括っていられるのだろうか。

 筆者の見るところ、学生スポーツをめぐる日米の差は、商業主義に対する親和性の認識にある。学校スポーツをビジネスの対象にすべきでない、つまり商業化すべきではない、という日本型アマチュアリズムが良くも悪くも、学生スポーツの市場価値を抑制してきた。しかし、実はアメリカでも1970年代までは、今の日本と同様の状況にあったのである。1950年代にはすでに人気を博したアメリカ学生スポーツは1970年代以降、いわばごく自然の成り行きとして各大学の経営戦略に取り込まれ、スポーツが大学のプレゼンスを高めると同時に、Tシャツやジャージなどの関連商品やテレビ放映権などによる利益もたらした。その一方で、「教育目的」の観点から、こうした動きをけん制するアマチュアリズムの是非について論争が生じた。大学スポーツは商業的価値を有しており、アマチュアリズムの強制は各大学による経営戦略上の自由競争に対する不合理な制限であるとして、特にスポーツ強豪校から、アマチュアリズムに対する批判が加えられた。さらに、1984年にアメリカ連邦最高裁が強豪校側にとって追い風となる判決を下したことで商業化が一気に加速し、従前のアマチュアリズムは名実ともに無力化の一途を辿ることになる。その中で、いわば本質的矛盾を抱えながら最後の砦となってきた「アメリカ型アマチュアリズム」も今、崩壊の危機を迎えているのである。

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学生スポーツとアマチュアリズム(1)

川井 圭司 投稿者 川井 圭司 : 2014年10月29日

「アマチュア規定は違法」とした米連邦裁判所の判決

 「アマチュア規定は違法である」。先日(2014年8月)、アメリカ連邦裁判所が学生アマチュア規定について下した判決である。同裁判所は、学生スポーツをめぐるテレビ放映やビデオゲームについて学生選手らは肖像権(パブリシティ)に基づく利益を得る権利があり、アマチュアリズムを根拠にその権利を制限することは反トラスト法に違反するとの判断を下した。アマチュア規定を違法としたこの判決はアメリカ学生スポーツ界を震撼させたのであった。

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