こちらに共通ヘッダが追加されます。

TOP > 政策最新キーワード

政策最新キーワード

'地方'から生まれる日本の新しいソフトパワー

岡本 由美子 投稿者 岡本 由美子 : 2012年4月11日

 超高齢社会、人口流出、過疎化、娯楽施設やアメニティがない、交通不便、こういった言葉から皆さんは何を想像されますか。
 実は、今年度の4月7/8日(土日)、徳島県勝浦郡上勝町でゼミ合宿を行いました。この町の人口データ を見ますと、長らく、人口減少が続き、平成21年度から遂に人口が2千人を切ってしまっていることがわかります。また、町内の65歳以上人口比率(高齢化率)も平成23年3月31日現在で、ほぼ50パーセントに達しています。町には、娯楽施設もなく、交通の便もいいとはお世辞にも言えません。しかし、そこには暗いイメージなぞ微塵もありませんでした。それどころか、日本の何十年後かのあるべき姿を先取りして、先進的な取り組みが繰り広げられていたのです。

 私が申し上げるまでもなく、上勝町は、葉っぱ(つまもの)ビジネスで全国的に有名になった地域です。ブロードバンド・ネットワークに接続されたPCを駆使して自らマーケティングを行い、年商1千万円以上を稼ぎだす'おばあちゃん'の出現は、世の中をあっと驚かせました。これはただ単に地域活性化というだけでなく、高齢者が経済的にも自立し生き生きとできる、生涯現役社会創出への取り組みとも言えると思います。
 また、上勝町は、国内で初めてゼロ・ウェイスト宣言を出した町としても有名です 。ゼロ・ウェイスト宣言はもともとオーストラリアの首都キャンベラで始まった取り組みのようですが、上勝町でも「ゴミ」、「無駄」、「浪費」をゼロにすることを目標に、焼却炉の除去への取り組みと徹底した資源リサイクルが行われていました。また、新たな自然エネルギー創出事業も開始されており、低炭素社会実現に向けた先進的なプロジェクトといえるでしょう。
 さらに、今回、驚いたのは、こういった上勝町の地域性/環境を保全しながら経済活性化を図る取り組みを、何とか、アジアやアフリカの開発途上国で役立てられないかと考え、その実現に向けて動いておられる方が上勝町に存在することです。またそのプロセスの中で、徳島の地元大学との連携・協力体制も生まれつつあるようです。まさに、'もの'ならぬ、'アイディア'や'ノウハウ'の海外輸出/移転です。
 高度経済成長で環境破壊と農村の荒廃が進み、かつ、急速な人口の高齢化に危機感を感じ始めているアジア諸国も多く存在します。中国はその1つの例かもしれません。日本がアジアの中である一定の存在感を保持するためには、こういった新しい日本の強みをシカと認識し、海外に積極的にアピールしていく必要があるのではないでしょうか。


<参考資料>
上勝町住民基本台帳のデータを使用(http://www.kamikatsu.jp/docs/2011012800173/からダウンロード。平成24年4月2日にアクセス)。
ゼロ・ウェイスト宣言に関しては、上勝町地職住推進機構職員の松本卓也氏から提供された情報に基づく。