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政策最新キーワード

Yes, we KAN!!!

Ofer Feldman 投稿者 Ofer Feldman : 2010年6月8日

皆さんは、サウンド・バイト[sound bite]という言葉をご存じでしょうか。政治家が自分の活動ぶりをわかりやすく印象付け、かつ表現するためには、スローガン、キャッチフレーズなどのシンボルがよく使われる。これらを通して国民の支持を得ようとするのだが、これらの中には響きの良い、インパクトのある言葉があり、それはサウンド・バイトと呼ばれ、主にメディアを使った選挙戦などで使用される。

サウンド・バイトとは、長い演説やインタビューの中において、話し手が言おうとしていることをぴったり捉えている、とても短い言葉や文章のことをいう。サウンド・バイトは記者達やコメンテーターからは、その演説やインタビューを視聴者に印象づけその内容を表す、最も重要なものと考えられている。その言葉や文章が、本来どういった流れの中で使われたかどうかはともかく、サウンド・バイトが報道やドキュメンタリーの中に用いられることで、その言葉を操作、あるいは解釈することも自由になる。政治家はアドバイザーや演説原稿の作成者から、明確で要点をついたサウンド・バイトを話せるように細かく指導を受ける。その理由は、これらのサウンド・バイトによって記者達が会話のどこに注目し、全体的なメッセージが伝わりやすくなるためなのだ。

また、これらのシンボルは普通簡潔で、国家の誇りや精神にアピールし、大衆の生活になじみやすい言葉が用いられる。アメリカの大統領の例を挙げると、ジミー・カーターのスローガンの一つ「A Government as Good as the People(大衆のように良い内閣)」、ロナルド・レーガンの「Just say No(ただ、『麻薬を』否定するのみ)」、ジョージ・ブッシュの「War on Drugs(対麻薬戦争)」、ビル・クリントンの「Bridge to the 21st Century(二十一世紀への架橋)」としてジョージ・W・ブッシュが二〇〇三年の一般教書演説で用いた「Axis of Evil(悪の枢軸)」という、北朝鮮、イラン、イラクを名指しで非難した言葉などがある。それは、特にこれら三ヵ国が大規模破壊兵器を生産しているという理由による。さらに最近のバラク・オバマの「Yes we Can(私たちはやればできる)」もその好例で大衆や有権者の支持を得た。

日本政府もその理念を大衆に広めるために、長年にわたってキャッチフレーズやサウンド・バイトを用いてきた。それは池田勇人が一九六〇年、新しい首相としての所信表明演説で、自分の哲学をまとめたものとして「所得倍増計画」というスローガンを掲げたことに始まる。また池田内閣は同時に野党との対話を進めようとし、第二のスローガンとして「寛容と忍耐」を掲げた。次いで佐藤栄作の内閣は「寛容と調和」、追って「人間尊重と社会開発」というスローガンを示した。それ以降の代表的なものとしては田中角栄の「決断と実行」と「日本列島改造論」、中曾根康弘の「戦後政治の総決算」と「国際国家日本」、竹下登の「ふるさと創世」、細川護煕の「政治改革政権」、森喜朗の「IT革命」などがあげられる。そして小泉純一郎は「聖域なき構造改革」というスローガンとともに、「改革の痛み」や「米百俵」などのキャッチフレーズを使い、以後も安倍晋三「美しい国・日本」、福田康夫「自立と共生」や「背水の陣内閣」、麻生太郎「安心・活力」、そして鳩山由紀夫の「コンクリートから人へ」などが掲げられている。

今、新発足した菅直人政権ではどのようなサウンド・バイトを掲げるだろうか。

おそらく、オバマ大統領の発想にあやかり、「Yes, we KAN!」がもっとも適当ではないだろうか。つまり、国民が力を合わせ「一つのカン」になり、一致団結して菅直人首相を支え、内閣が直面するライフスタイルや倫理などの国内外の問題に対処し、より良い日本を作っていくことに協力することである。

そのために私たちにできることを考えながら、新政権を応援しましょう。