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教員紹介

教員紹介担当科目・演習紹介

杉田 菜穂 講師

すぎた なほ 杉田 菜穂 講師

専門分野日本における人口問題と社会政策
研究室渓水館208号室



専門分野について

「1.57ショック」という言葉を聞いたことがありますか。1.57は1989年の日本の出生率で、この言葉によって「少子化」が社会問題として定着するに至りました。少子化問題をめぐっては、その要因から解決策、あるいはそもそも少子化は問題なのかといった議論も含めて様々な見解があります。

それに対して、私の関心は「少子化の系譜」にあります。今日に至るまで、「出生率の低下」という人口現象に対してどのような学説・政策が展開されてきたのか。具体的には、戦前期まで遡ってそれらに関わる事実を明らかにする作業に取り組んでいます。東京市と呼ばれていた時代の東京や大阪市をはじめ、都市部では1920年代から出生率の低下が観測され、それをめぐって今日と同様に議論が交わされた経緯があります。それは大正・昭和初期人口論争として知られますが、そこで展開された所説やその延長に体現した政策について調べています。

歴史研究は、それが今日にどのように活きるのかが問われるでしょうか。例えば、少子化が問題として扱われるようになって以降、女性や児童を対象とする社会政策の充実が図られるようになりました。1990年代以降、育児休業制度の充実や保育所の待機児童の解消が政策課題となり、男女共同参画社会基本法や児童虐待防止法といった女性や児童の権利保障に関わる重要な法律も成立しています。

興味深いことに、このような動きは1920年代から30年代にもみられたのです。現在の児童虐待防止法は2000年の成立ですが、1933年にも全く同じ名称の法律(児童虐待防止法)が成立し、児童虐待問題に対する取り組みが開始されています。本法は、戦後間もなく成立する児童福祉法(1947年)に吸収されて一度は姿を消します。ところが、それが2000年に「再び」成立しているのです。この事実から、どのようなことがいえるでしょうか。

これは一つの例にすぎません。「少子化と社会政策」というテーマに限らず、歴史的な蓄積を知ることで今日的なあらゆる問題を相対化してみることができます。「歴史は繰り返す」といいますが、歴史から学ぶという姿勢もまた、政策学における重要なアプローチです。

プロフィール
奈良生まれ、奈良育ち

小・中・高と奈良市内の学校を卒業し、その後大阪市立大学に進学しました。大学院を含めると、ちょうど10年の学生生活を市大で過ごしたことになります。

大学院進学後は研究中心の生活を送ってきましたが、それまでの私は勉強以外のことに熱心だったように思います。卓球部に所属していた中学・高校時代は勉強より部活でしたし、幼少から続けている俳句、短歌は今も取り組んでおります。

京都には、名所・旧跡が沢山あります。いわゆる有名なところもいいけれど、通勤の帰りや休日を利用して自分だけのとっておきの場所を見つけたいと思っています。

メッセージ
大学は、出会いの宝庫

「10年後、あなたは?」
この質問に「どきっ」とした方は、私と気が合うかもしれません。将来に対する明確な目標やヴィジョンを持つことは大事なことですが、現時点で自分の将来が見えないという方もいらっしゃるでしょう。私の経験からいえば、学生生活は将来の自分につながる「何か」を求めて試行錯誤を繰り返した4年間でした。結果的に大学院という進路を選んで今に至っていますが、それを決意したのは4回生になってからのことです。

「あなたは今、何に興味がありますか?」
この問いであれば、皆さんと同じ時分の私にも答えられたでしょうか。というのは、学生時代の私は学業に限らず少しでも関心が持てることには何でも積極的に取り組むようにしていました。ボランティアやアルバイト、インターンシップにも参加しました。目標が定まらないまま「あっちへふらふら、こっちへふらふら」していた私は「合理的」とは程遠い学生生活を過ごしたのですが、今振り返ってみると挫折や失敗も含めてよき思い出です。

「あなたは今、何に一生懸命ですか?」
大学は出会いの宝庫です。自分にとっての「何か」に向かって、「何か」を求めて少しずつ前へ進みましょう。教員として、その手助けができれば何よりの幸せです。