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教員紹介

教員紹介担当科目・演習紹介

岩島 史 助教

いわしま ふみ 岩島 史 助教

専門分野農村女性政策とジェンダー
研究室志高館258号室



専門分野について

近年、過疎化・高齢化がさけばれる農山村において、明るい話題といえば農産物直売所や女性起業によるスモールビジネスの成功、そして「農業女子」です。これまで伝統的な家族制度の犠牲者と考えられてきた農村の女性が、起業や農業での成功によってスポットライトを浴びることは、戦後日本における「女性解放」のモデルの一つともされてきました。「女性解放」というと古い言葉のようですが、「女性の活躍」やエンパワーメントと言い換えれば、農村に限らず現在の日本社会における重要課題のひとつですし、グローバルな持続可能な開発においても必ずとりあげられる課題です。

しかし、女性の活躍やエンパワーメントをゴールに設定し、成功例をとりあげたり課題の解決をはかるだけで本当に良いのか、「女性の活躍をめざす」こと自体を問い直す必要があるのではないか、と考えたことがこの研究を始めたきっかけです。もともとはグローバルな開発問題への関心から研究をスタートさせましたが、このような問いを明らかにするために、戦後日本の農村女性政策の歴史的経験を分析することにしました。特に、1950年〜60年代に農林省(当時)が主管していた生活改善普及事業や文部省(当時)が主管していた社会教育・婦人教育を分析対象に、農村女性をエンパワーメントしようとする諸政策が、ある特定の人々を政策対象として設定することで結果的に〈農村女性〉なる集団をつくりだしていくこと、その過程で政策側が想定しない農村女性の生き方・あり方、経験は、存在しないもののようにされていくことを研究してきました。このような「女性の活躍・エンパワーメント」の物語のなかでは、過去の評価だけでなく現在や将来の解釈も単線的なストーリーに限定されてしまいます。このような農村女性政策の批判的検討をもとに、現状の延長線上とは異なるところにオルタナティブな未来を構想することは農業・農村にとってのみならず、現在の社会全体にとっても重要なことだと考えています。

プロフィール

1985年兵庫県神戸市生まれ。アフリカに興味があり京都大学農学部 食料・環境経済学科に入学、卒業論文ではタンザニアでのフィールドワークも経験することができました。卒業後、京都大学大学院農学研究科修士課程、そして博士後期課程に進学。大学院では迷った末、戦後日本の農村女性政策を研究対象にすることにしました。研究の舞台は大きく変わりましたが、社会の開発や発展、近代化の中において人々、とくに女性が「主体」となる可能性について、一貫して考えてきました。明治大学農学部での研究員を経て、2018年に京都大学より博士(農学)の学位を取得しました。その後、総合地球環境学研究所研究推進員を経て、2019年4月より同志社大学に着任しました。これまで、近畿大学、龍谷大学、京都大学での非常勤講師も含めて、ずっと農学部に所属してきました。同志社大学政策学部という新しい環境ではじまる経験をみなさんとともに楽しみたいと思います。

メッセージ
「効率」を忘れて

大学生の4年間は、受験勉強のように決まった「答え」のない、はじめての時間なのではないでしょうか。効率よく点数を稼いだり、うまくこなしたりすることに力を注ぐよりも、失敗を恐れずやってみて、たくさん悩んだり考えたりして、無駄なこともたくさんしてほしいと思います。わたし自身の大学生活を振り返っても、時間がいくらでもあるように思えた4年間は、もっと勉強しておけばよかったという小さな後悔はあるものの、かけがえのない経験でした。これから始まる同志社大学の4年間がみなさんにとって実り多いものとなるよう期待しています。