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教員紹介

教員紹介担当科目・演習紹介

藤本 哲史 教授

ふじもと てつし 藤本 哲史 教授

専門分野家族と仕事のインターフェイス
研究室志高館255号室



専門分野について

私の専門は社会学です。働く人々の家族生活と仕事の関係について研究しています。
「ワーク・ファミリー・バランス」という言葉をご存じでしょうか。近年「ワーク・ライフ・バランス」という言葉は頻繁に耳にしますが、実は、かなり前に日本でも「ワーク・ファミリー・バランス」という言葉が使われていた時期がありました。しかし、今ではそのような言葉は忘れ去られ、「ワーク・ライフ」と呼ぶことが普通になりました。もちろん、企業や行政がこの言葉を積極的にアピールすることで、バランスのとれた生活を送ることが、働く人々だけではなく企業や社会全体にとっても大切だということが認識されるようになったのはとても良いことです。
しかし正直なところ、私は「ワーク・ファミリー・バランス」の方が重要だと考えています。時代の流れが「ワーク・ライフ」に向かっているのは十分理解できます。「ファミリー」にすると、増加する未婚の人々や子どものいない夫婦の生活をないがしろにしているという印象を与えかねないので、「ライフ」にした方が政治的に正しいのかもしれません。しかし、このテーマで20年以上研究してきた私は、あえて「ワーク・ファミリー」にこだわりたいと思っています。
私にとって「ワーク・ライフ」という言葉がしっくりこないのは、「ワーク・ライフ・バランス」というと、働く本人だけに関心が向けられている印象を受けるからです。つまり、「その人のワーク」と「その人自身のライフ」をうまくバランスさせて、いかに「その人」を幸せにするか、生産性を上げるかに関心が注がれているような気がするのです。そうなると、その人にとって大切な人々、特に子どもや配偶者などの「重要な他者」は視野の外の存在になってしまい、その人たちは幸福な生活を送れているのかが置き去りにされてしまうように思えてなりません。もちろん仕事をする本人が幸せかどうかはとても大切な問題です。しかし、本人の働き方によって、周囲の人々の生活が左右されるのも事実です。本人だけではなく、周りの人々も幸せにならなくてはいけないと思うのですが、どうも「ワーク・ライフ」という言葉からは本人以外の人々の姿がはっきり見えてきません。
多くの働く人々にとって家族生活と仕事のバランスをとることは決して簡単ではありません。仕事にしても家庭にしても、しっかり役割を果たすためには、どちらも同じくらいの時間とエネルギーを必要としますから、両方の役割を十分にこなすことは大変です。仕事の役割と家庭の役割をうまく両立できないために生じるストレスのことを「ワーク・ファミリー・コンフリクト」と呼ぶことがあります。「コンフリクト」は「葛藤」を意味しますが、仕事に費やす時間が長すぎて家族との時間が少なくなったり、仕事でストレスをかかえるあまり、家に帰ってもイライラして家族にあたってしまうような状態を指しています。このような状態こそまさに「ワーク・ファミリー・アンバランス」で、そのしわ寄せを受けるのは本人もさることながら、多くの場合、子どもや配偶者などの「重要な他者」だと思うのです。
私があえて「ワーク・ファミリー」の研究にこだわるのは、いかに家族を幸せにするかは今の日本にとってとても大切な課題だと思うからです。日本の将来を支える子どもたちの育成を「個人の問題」と片付けてしまわずに、今社会としてどのような働き方の見直しが必要なのか、しっかり考える必要があるように思います。

プロフィール

大学を卒業したあと民間企業に勤めましたが、僅か1年半ほどであっけなく脱落。その後日本を飛び出しアメリカの大学院で博士号(社会学)を取得しました。若い頃に日本の企業で働いた経験やその時に感じたさまざまな疑問が現在の私の研究テーマへとつながっています。同志社大学に赴任する前は名古屋の私立大学で教えていました。ある年、学生と海沿いの町に夏合宿に出かけたとき、岬に立つ灯台の周りを飛ぶ海鳥を見たひとりの学生が何気なく言った「鳥人間コンテストに出てみたいなあ…」の一言がきっかけとなり一同奮起。苦労に苦労を重ねて学生と一緒にヒコーキを作り、その翌年の大会に出場にしました(飛行記録は秘密です)。ライト兄弟初飛行100周年記念と銘打ったプロジェクトでしたが、一生に一度の大切な、大切な経験になりました。自他ともに認める筋金入りのヒコーキマニアです。

メッセージ
考えましょう

大学の4年間はあっという間に過ぎていきます。「まだたっぷり時間があるから・・・」と思っているうちに卒業の時が来ます。かつての指導生が卒業後私のところを訪ねて来ると「学生時代にもっと勉強しておけばよかった」とよく言います。もちろん、卒業後でもいろいろなことが勉強できます。しかし、社会人になってからはじっくりものごとを考える余裕はありません。今は考えるのが面倒なことも、いつか本当に考えたいと思った時にはもうそのための時間がないということはよくあります。大学生のうちに考えましょう。考えてもよくわからないことは仲間や先生と話しましょう。そして、自分の考えを試すために行動してみましょう。